7月1日付で平塚市漁業協同組合の代表理事組合長に就任した 田中 邦男さん 札場町在住 61歳
○…地元漁業関係者の舵取り役就任にあたり、「初めてのことで分からないことだらけ」と本音がポロリ。消費者の魚離れが指摘される中、新型コロナウイルス感染症の拡大が消費低迷に追い打ちをかけた。外食を控える消費者心理や飲食店の臨時休業などを踏まえて、「販路の拡大は今後の課題」と先を見る。言葉を選ぶような語り口調で、「役員や組合員の意見に耳を傾けながら協力していきたい」と調和の姿勢を強調する。
○…平塚沖の波浪観測塔付近で定置網漁を行っている株式会社「日海丸」の代表取締役社長。「ゆくゆくは」と将来像を描きながらサラリーマンを経て、25歳で稼業を継いだ。船上での立ち振る舞いは父親譲りで、横目に見ながら作業を覚えた。平塚沖ではアジが旬を迎えており、「この時期は脂がのって旨い」と笑う。午前3時から漁場で網を上げ、鮮度を保った状態で小田原や横浜の市場に届けている。
○…幼少期は、父が船を係留する平塚港周辺が恰好の遊び場だった。友人を連れだって相模川河口でボートを浮かべて遊んだ。所帯を持つと、背中を見ながら育った一人息子は後継者に名乗りを上げた。「他所で修業を兼ねて様々な経験をしてからでも良かったのに」と親心をのぞかせる。
○…地場魚の魅力を伝えようと、同組合が定期的に開いてきた「地どれ魚の直売会」が先月下旬に5カ月ぶりに再開した。コロナウイルス感染症の影響もあって、人出は少し落ちたように感じたが買い物客の姿に胸を撫で下す。会場では、元気よく売り子を務める従業員の後ろが定位置。一歩引いた場所からやり取りを眺めているといい、「消費者と触れ合えるって良いね。販路拡大のために継続しないと」と頬を緩ませた。
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