詐欺被害は、対岸の火事ではない―。「オレオレ詐欺」などに代表される特殊詐欺。平塚警察署によると、詐欺の手口は巧妙化する一方だが、市内の認知件数は減少傾向にあるという。その背景には、市民の防犯意識の高まりがあるようだ。
平塚市は今年8月、迷惑電話防止機能付き電話などの購入費を補助する「市特殊詐欺被害防止対策補助金」の受け付けを開始した。
これは、70歳以上の人を対象に購入費用の3分の2、最大で6千円を支給するもの。当初、12月までの受け付けを予定していたが、11月には予定額を超え、終了した。市危機管理課によると、その後も問い合わせが相次ぎ、「期待通りの反応。市民の防犯意識の高さがうかがえた」と担当者。
迷惑電話防止機能付き電話は、呼び出し音が鳴る前に、架電した人に対し自動で「通話内容を録音する」という趣旨の警告メッセージが流れ、その後、通話内容を実際に録音する機能を持つ。
市では補助金を活用した市民にアンケートを実施。担当者によると「防犯電話を設置して安心できた」「馴染みのないセールス電話も撃退できてうれしい」など、多くの人が高評価だという。担当者は「市民の皆様に防犯電話がさらに普及していけば」と話す。
3つの徹底を
平塚警察署の生活安全課では「特殊詐欺から身を守るために凡事徹底を」と強く呼びかける。
同課では、被害に遭わない心がけとして、防犯電話の活用にくわえ、▽留守番電話を設定する▽電話を取る前にスピーカーで相手の声を聞く▽相手の電話番号を確認する、の3点を挙げる。
まず、留守番電話を設定し、いきなり受話器を取らない姿勢を徹底する。直接電話に出てしまうと、犯人の巧みな話術を前に、冷静な応対ができなくなる恐れがある。
次に、留守番電話サービスが始まってから聞こえてくる相手の声をしっかり確認する。特殊詐欺の犯人は息子や孫などを騙るため、本人かどうかを冷静に判断する。親族との間で合言葉などを決めておき、答えられなかった相手の電話は無視すると決めておけば、被害に遭わないで済む。
3つ目に、表示される電話番号を必ずチェック。知らない市外局番や非通知は要注意で、市役所などを名乗りながら携帯電話の番号ならば、詐欺の可能性は高い。
被害ゼロめざす
例年、市では12月中旬ごろに年末一斉警戒を実施。平塚署が中心となり、防犯団体らが駅周辺をパトロールしてきた。しかし、今年はコロナ禍でそれも難しい。同署担当者は「犯罪に遭わないためには『自分の身は自分で守る』という防犯意識が大切。不審な人や車に住民が警戒の目を光らせることが大きな抑止力になる」と話した。
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