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平塚版 公開:2020年12月17日 エリアトップへ

平塚警察署 被害減少も「気を引き締めて」 鎌田耕造署長インタビュー

社会

公開:2020年12月17日

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本紙の取材に応じる鎌田署長(12月11日撮影)
本紙の取材に応じる鎌田署長(12月11日撮影)

 タウンニュースと平塚警察署のコラボレーションによる特別号の発行にあたり、本紙では鎌田耕造署長にインタビューを行った。新型コロナ感染拡大を受け、社会に不安が蔓延するなか、平塚署では市民の安心・安全のために奔走してきた。鎌田署長は就任から今日までを振り返り、あらためて市民に防犯意識の向上を呼びかけた。

「連携」に見た一定の成果

 ―第68代署長に就任されておよそ3カ月が経ちましたが、現在の平塚警察署の様子はいかがでしょうか。

 「幸いにも新型コロナウイルスについては、現在まで当署での感染はございません。ウイルスの感染拡大以降、当署では各種会合や防犯・事故防止イベント等の実施を抑制するとともに、運転免許証の更新事務についても警察署の柔剣道場を活用するなど『3密』を避け、換気が行える対策を講じてまいりました。

 未だ警察が主催するイベント等の再開は目途が立っておりませんが、社会のさまざまな活動の再開に応じて、必要な会議や会合が行えるよう警察署施設の整備を行うとともに、参加される皆さんが不安を感じることのないよう、必要な対策を講じてまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げます」

 ―新型コロナに翻弄された2020年も年の瀬を迎えました。今年の平塚市内の事件発生状況や傾向はいかがでしょう。

 「平塚警察署管内では、すべての罪種が前年より減少しており、10月末の時点で当署管内の犯罪認知件数は772件、昨年から398件減(34・0%減)と大幅マイナスになっています。

 特に昨年増加した自転車盗は、3月25日に平塚市との『地域の安心・安全意識を高める協定』の締結により導入されたアラーム付き自転車(駐輪場に振動センサーアラーム付きの自転車を設置して、警報音で犯行を断念させる作戦)等が功を奏し、前年比およそ40%減(本年268件、昨年同時期448件)といった効果が見られます。

 特殊詐欺については、県下全域で警察官等を騙りキャッシュカードをだまし取る手口が急増するなか、当署管内は前年同時期比マイナス20件の33件と減少傾向にありますが、その被害総額は約461万円増の約5880万円にもおよび、未だ予断を許さない状況で推移しています。

 今後もこれまでの対策を継続しながら、さらに効果のある対策を模索しているところです。市内の高齢者の方には、今年6月に発行された『タウンニュース防犯特別増刊号』でもお伝えした『留守番電話の活用』をお願いしたいと思います」

 ―新型コロナを巡っては一律10万円の特別給付もありましたが、給付金に絡む詐欺の発生状況などはいかがでしょうか。

 「幸い、当署管内では給付金に係る詐欺の認知はございません。これも、タウンニュースをはじめさまざまな広報媒体を通じて市と連携しながら『平塚市での給付金支給手続きの流れ』などを詳細に紹介してきたことが、こうした結果につながったものと思います」

 ―来年3月末で須賀交番が統廃合されますが、「地域の安心・安全意識を高める協定」など、平塚の治安維持に向けた展望をお聞かせください。

 「須賀交番がなくなることで管内住民の中には不安を覚える方もいらっしゃると思います。この対策として、平塚市との協定に基づき自転車盗の防止に主眼を置いた犯罪対策を推進したほか、市庁舎のデジタルサイネージを活用し、新型コロナウイルスの感染拡大に乗じた詐欺や悪質商法等の被害に遭わないための広報啓発活動を行ってまいりました。今後も引き続き、住民の皆さんに安心していただける取り組みを模索してまいります。

 また、交番に代えて車両を配備し、須賀地区に拠点を数カ所設け、地域の安心の拠り所となるよう活動したいと考えています。この車両は警察相談や被害届の受理など交番機能を併せ持ち、警ら活動や事件事故にも対応してまいります。3月には配備予定なので、どうぞお気軽にお声かけください」

 ―最後に鎌田署長から市民(読者)へメッセージをお願いします。

 「2020年は、コロナに始まり、コロナに終わった一年でした。平塚市では詐欺被害の件数が減少したと申しましたが、家庭内トラブルに関する110番通報は増加しています。夫婦や親子間の暴力、高齢者虐待など、私が着任して以降、毎日のように110番がかかってくるように感じます。『巣ごもり生活』でフラストレーションが溜まりこのような事態が起きるのでしょうか。

 このように、水面下で発生する目に見えないトラブルは多いのではないかと思います。スマートフォンが普及し、親の知らない所で子どもたちがSNSを利用する。最近も小学生がスマホを介して出会った男に誘拐されるという事案が市外で発生しています。

 来年は『ウィズコロナ時代』の行動変容などは考慮に入れつつ、地域との連携をさらに強化し、先に申し上げたような懸案事項にもしっかりと対応してまいります。

 最後になりましたが、読者の皆様にはどうか良いお年をお迎えくださいますよう祈念いたします」

(了)
 

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