平塚版 掲載号:2021年9月23日号 エリアトップへ

わたしと戦争 特別編 父の恩人 75年経て対面 弊紙記事つないだ縁

社会

掲載号:2021年9月23日号

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右から冨田さん、治安さん、匡英さん
右から冨田さん、治安さん、匡英さん

 「タウンニュースに載っている戦争体験の、冨田さんが担架で運んだという患者は、私の父かもしれない―」。9月9日号平塚版の紙面発行後、平塚編集室に一本の電話がかかってきた。電話の主は藤沢市在住の遠藤匡英(まさひで)さん(83)。平塚市平塚在住の弟・治安(はるやす)さん(81)から「記事に載ってる話が、父の話とそっくりなんだ」と連絡を受けたという。9月16日、遠藤兄弟が冨田さんの自宅を訪問。当時の出来事を確認し合い、遠藤さんは冨田さんが父の恩人だと確信した。

 「本当に不思議な縁ですね」。遠藤さんらを迎えた冨田さんは感慨深そうにしきりにつぶやく。

 遠藤さんの父・源一郎さんは平塚空襲当時38歳だった。飯島デパート(現・紅谷町まちかど広場)に勤めており、戦時中は軍事工場として飛行機部品の製造を行っていた日本国際航空工業(現・日産車体)に徴用されていたという。

建物疎開で負傷

 源一郎さんは平塚空襲の1週間ほど前、建物を取り壊して空襲による延焼を防ぐ「建物疎開」のため、現在の平塚駅西口の中央地下道近くで、知り合いの家の取り壊し作業を手伝っていた。その作業中に大腿骨を骨折。平塚市第四国民小学校(現・富士見小)の2年生だった匡英さんは、母と一緒に父が入院している平塚海軍共済組合病院(海軍病院)まで見舞いに行ったという。

 「父は病室で、足を分銅で引っ張ってつっていた。腰から下までギプスをはめていた」と匡英さんは振り返る。

看護師に担がれ伊勢原の分院へ

 源一郎さんが入院していた海軍病院で看護師をしていたのが冨田フサ子さん(92)だ。冨田さんは平塚空襲があった7月16日の夜、同僚数人と担架を担いでギプスをはめていた源一郎さんを伊勢原分院まで運んだ。自力で動けなかった源一郎さんは、病院の防空壕に一番最後に入っていたため、市外へと逃げるときには、真っ先に外へ出ることができたという。

 源一郎さんは伊勢原出身で、伊勢原の家から平塚駅前の勤務先まで自転車で通勤していたこともあり、土地勘があった。当時15歳の冨田さんに「あっちへ、こっちへ」と道を指示。「水をもらった」という豊田本郷近くの自転車屋は源一郎さんの家の番頭で、古くからの知り合いだった。

 道中の会話や辿った道のりは、冨田さんの記憶、遠藤さんが父から聞いていた話と重なる。

繰り返し聞いた父親の戦争体験

 治安さんは当時5歳。現在の茨城県桜川市にある母の実家に疎開していたため、平塚空襲は知らないが、父の体験は繰り返し聞かされていた。「空襲の話は、父が亡くなった後も家族の間で語り継がれています。タウンニュースの冨田さんの戦争体験が父の話と重なり驚きました」と治安さん。父の恩人との対面に匡英さんは、「父はきっと、あの空襲の夜に運んでくれた方たちにお礼がしたかったはず。もしかしたら探していたかも。父がお世話になりました」と頭を下げていた。

 冨田さんは「まさかあの時の患者さんの息子さんたちと会えるなんて。生きていてよかったと、そう思います」と感無量の様子だった。

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