四之宮に事務所を構える一般社団法人桜花(戸塚義治代表理事)は、認知症・若年性認知症の人と民間企業をつなぎ、車の洗車や壁紙貼り、家具の解体分別等の働く場を提供している。代表の戸塚さんは「認知症と診断されたからといって急に何もできなくなるわけではありません。受け入れてくれる企業を増やしていきたい」と話す。
現在、同団体に登録しているのは65歳〜87歳の6人。認知症のほか、強度のアルコール依存症の人もいる。大工や臨床検査技師、一級建築士など経歴もさまざまだ。
「65歳手前で認知症と診断を受けて、ローンなどが残っているのに、迷惑をかけてはいけないと会社や家業をやめてしまう人もいる。でも、部分的に記憶が飛んでしまうことはあっても、日常的なコミュニケーションに問題はないんです」と戸塚さん。老年精神科を専門とする「湘南いなほクリニック」(四之宮)や市の包括支援センターとも連携し、登録者をサポートしながら事業を続けている。
「最低賃金の保証」にこだわり、作業についての指示は最小限にして登録者の判断を尊重する。「仕事をきちんと果たしているのなら賃金を保証するのは当たり前。仕事をやめると自分の居場所や存在意義について悲観的になりがち。仕事を通して『作業してくれて助かるんだよ』と伝えたい」。作業日は基本的に週1回。1カ月の活動報告書は家族の安心にもつながっているという。
福祉施設で洗車作業を行っていた認知症の男性(87)は「仕事で稼いだお金で大きなテレビを買った。生きがいです」と笑顔を見せていた。
仕事依頼は桜花【電話】0463・38・3039。
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