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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2022.02.03

平塚市の事業所でLED水耕栽培に取り組む
高明(たかあき) 正治さん
中里出身 71歳

電気の力で未来に光を

 ○…自身が営む平塚市田村の電気部品製造業「TKエンジニアリング(株)」でLEDを使ったレタスの水耕栽培に取り組む。長年電気関係に携わっていた経験を存分に活かし、設備のほとんどは自作した。現在、栽培は研究段階で周辺組織や消費者のフィードバックをもとに、日々より良い方法を模索している。「同じ作物でも、種(たね)の原産国で発芽条件も変わる。植物は一長一短で研究必須なんです」

 ○…平塚市中里出身で富士見小、春日野中と生粋の平塚人。電気に興味を持ったのは小学生の頃、鉱石ラジオを作ったのがきっかけだった。「工作の授業が面白く、物作りが好きだった。自分から本を読んでラジオを作りました」。好奇心を形にする原動力は、子ども時代の経験に由来することがうかがえる。

○…高校は電気科の学校へ進学。トランジスタが台頭し、SONYが電子機器で主導権を握るなど、技術が次々に発展する時代の最中だった。「とにかく色んなものを作った。今まで真空管でできたものが指先に乗るくらい小さな半導体に取って代わられていくさまは、不思議で面白かったね」。その後電気に関わる技術職を経験し、同社を設立し独立。現在は妻が代表取締役を務め、水耕栽培と電気事業を並行している。

 ○…海外では主流となってきている水耕栽培。人口増加や気候変動が起こる状況の中でも、安定した食料の確保につなげる栽培方法として期待できる方法だが、日本では広く認知されていない現状に悔しさをにじませる。「ものを言うにはまずベースがなきゃしょうがない。植物に関しては、まだまだ勉強中だけれど、着実に結果を出していかないとね」。堅実な信念を胸に、明るい未来への種をまき続ける。

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