平塚・大磯・二宮・中井 社会
公開日:2022.02.10
金目エコ
俳句で知る明治の暮らし
2月19日から展示
地域の歴史発掘・保存を行っている「金目エコミュージアム」(米村康信会長)が2月19日(土)〜23日(水)、金目公民館で、明治初期に地元住民によって詠まれた俳句を展示する「北金目神社奉納俳句250句を読み解く」を実施する。
展示される俳句は、北金目神社の拝殿の欄間に掲げられた俳句額に記されていたもの。1883年(明治16年)に奉納されている。奉納者は俳号を使用しているため名前の特定は難しいが、在住地とみられる地域名が記され、金目を中心に伊勢原、秦野、小田原、山北、厚木、相模原にまで及ぶなど、当時の文化圏の広さが垣間見える。
俳句は南金目神社や真田神社でも発見されているが、劣化が激しく読み解くのは難しかった。保存状態の良い北金目神社の俳句を平塚市博物館などの協力で解読すると、当時の住民の生活が浮かび上がってきた。
農村部ならではのにぎわいや景色が伝わってくる「人まして猶おもしろき田植哉(笠窪 露明)」、「昇る日の静かにさすや稲の花(善波 相雨)」のほか、「虫売や秋をまとめて都まて(大蔵 木水)」など、ホタルやスズムシを都へ売る商人について詠んだ当時の風物詩を物語るものもある。
また、金目で盛んだった自由民権運動の中心人物でもある森鑅三郎、猪俣道之輔も句の奉納者として名前を連ねている。同会の池田弘さん(82)は「明治期に250句もの俳句を集めるネットワークがあったということ。このつながりが金目の自由民権運動を下支えしていたとも考えられる」と考察する。
同展示準備を行ってきた小宮和高さん(77)は、「農業中心の生活を送る人々の豊かな暮らしが伝わってくる。子どもが詠んだ句もあるほど。教養を身に着けたいという貪欲さも見える」とし、「展示は金目に興味がある方だけではなく、俳句ファンのみなさんにも楽しんでもらいたい」と話していた。会場には投句用紙も用意する。
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