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平塚・大磯・二宮・中井 教育

公開日:2022.04.07

新校舎で新たな門出
祝・相模小学校開校記念

  • ツインシティ大神地区イメージ図(提供/平塚市ツインシティ大神地区土地区画整理組合)

 新校舎となった平塚市立相模小学校(牧野賢治校長)が4月1日に開校した。1976年の創設以来、46年で4000人を超える卒業生を見送ってきた相模小学校は、この春節目を迎え新たな一歩を踏み出す。旧校舎の伝統と思いを受け継いだ新校舎を紹介する。

読書ができる大階段

 1階は中庭を囲む”コの字”型、2階は吹き抜けのある”ロの字”型で、児童の動きが見通しやすい設計に。1階ホールにある図書コーナーは、児童が気軽に立ち寄って読書ができるようオープンな空間とした。

 2階への階段は大階段となっており、自由に座って本が読める場所となっている。大階段はみんなで並んで読書するなど交流スペースとしても活用できる。校舎中央には、学年やクラスを越えて交流ができる中庭「虹色テラス」を設置した。

 児童たちが一番長い時間を過ごす普通教室は、南側採光を取り入れ、床、天井、家具に木材を利用することで温かな色調に。1階の教室と廊下との間には可動間仕切りを設置し、催しに合わせて柔軟にレイアウトの変更も可能だ。

 音楽室は中庭に面し、演奏会の開催などの活動に対応。多目的ホールは、ランチルームとして家庭科室と連携も。2階にある県内でも珍しい展示スペースは、児童の多様な学びの幅を広げる。

受け継いだ梅の木

 校庭の南西にある梅の木は、神田小学校から分かれたときに植えられた記念樹。そのほか校歌の歌詞にも歌われるクスノキや体育館の校歌のレリーフも旧校舎から新校舎へと受け継がれた。

 屋上には太陽光発電パネルを設置。また教室に面して庇やバルコニーを設け、夏場の日除けによる熱負荷の低減を図る。災害時の消防水利としても利用できるプールは、繊維強化プラスチック製の桶を採用することで従来よりメンテナンスが容易で、環境への配慮も行き届く。

 校舎の1階にはテラス、2階にはバルコニーを設けるとともに、4つの階段を配置。複数の避難経路を確保している。バリアフリー対応として、スロープやエレベーターも設け、体育館にも避難施設として利用できるよう、「みんなのトイレ」を設置した。

地域のシンボルに

 相模小学校は旧神田中学校の校舎を利用して、神田小学校に隣接する形で1976年に創設。これまで大神・吉際・田村地区の一部の児童が通学している状況だったが、通学児童の多くが住む大神地区に小学校がないことから、学区の再編や隣接状況の解消を求める要望が地域住民から寄せられていた。新校舎は2019年の着工から、昨年12月に完工。今年度から1年生から6年生まで約300人が利用する。

 新しい相模小学校を含む大神地区では、都市機能の集約を目指したツインシティ整備事業が進行している。市が策定した整備計画によると、土地区画整理事業は生産・物流施設が集約する産業系、商業施設などを立地する複合系、相模小を擁する住居系の3つのゾーンに分けた土地利用方針が示されている。今後、人口増加が予想される大神地区の中で、この相模小学校は重要な拠点だ。

 学校と隣接する大神公民館や公園との間の道路は歩道として整備され、地域とのつながりを育む重要な接点に。市担当課や大神自治会によると、中庭を開放し、地域と連携してイベントを行うなどの構想もあるという。

 子どもたちの新しい学び舎として、また「地域コミュニティーのシンボル」として、新しい相模小学校の最初の春が始まった。

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