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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2022.09.08

保育士試験
無償講座で9人合格
地元社福の挑戦実る

  • 試験合格を喜ぶ関係者。右から真壁理事長、講師の安岡さん。合格者の落合千春さん、福田あゆみさん、中島由紀さん=9月1日・修了式会場で撮影

 市内で保育園などを運営する社会福祉法人・真幸会が昨夏から実施している保育士資格セミナーで、9人の合格者が誕生した。受講料無料の地域貢献事業でテキストは職員の手づくり。予想外の好結果に、関係者は驚きを隠せない様子だ。



 真幸会は、平塚市内で4つの保育園を運営する社会福祉法人。同法人の真壁洋道理事長は「保育士不足の解消と女性のキャリア応援。この2つの課題を解決する地域貢献として保育士資格セミナーを始めた」と取り組みの意義を語る。



 保育士資格取得の通信講座の受講料は数万円が一般的だ。大学や専門学校はさらに多大な費用がかかる。同法人のセミナーは、テキスト代1650円のみ。受講料は無料で参加できる。



 講師を務めたのは、同法人職員の安岡亜紀さん。独学で保育士試験に合格した経験があり、抜てきされた。安岡さんは受験者目線の分かりやすい教材を手づくりで用意。「社会情勢、法律の変化に伴う試験対策のアップデートや試験毎に設問解説を用意するのが大変だった」と話す。



 昨年7月に1期を開始し、今年3月までの2期まで延べ30人が受講。今年の前期試験で9人が合格した。合格率は30%。昨年の前期試験(全国)の合格率は18・7%。安岡さんの苦労、受講者の努力が結実した。



 合格者の福田あゆみさん(39)は2人の子育て中。そろそろ仕事を再開したいと思い資格取得をめざした。「先生の説明で、すっと頭に入った瞬間があり、楽しかった。ここに通ってよかった」と福田さん。中島由紀さん(36)は20年から書籍で独学で学んでいたというが「一人だと情報交換もできない。セミナーに参加して楽しく勉強できた」と話した。現在、3期のセミナーは13人が受講中で10月の後期試験に10人が挑戦する予定だ。



平塚市も評価



 落合克宏市長は「湘南で子育てするなら平塚市」のキャッチフレーズを掲げており、2年連続で待機児童ゼロを達成。保育所の定員増には、保育士の増員が不可欠な背景がある。平塚市保育課の山崎淳司課長は「真幸会さんの取り組みは、市内初のこと。独自に保育士確保策を講じていただき、市としても大変ありがたい」と話した。

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