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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2023.09.07

幻の平塚クリマサリ
大野地区で出荷始まる
出荷量15トン見込む

  • JA湘南経済センター集荷場でクリマサリの「目合わせ会」を行う甘藷部会の部会員

  • クリマサリに満足げな大森さん

 「幻の芋」とも呼ばれるクリマサリの出荷が8月28日から始まり、JA湘南甘藷(かんしょ)部会の部会員が出荷規格を確認する「目合わせ会」を行った。

 クリマサリは昭和35年ごろから水はけの良い砂地が広がる大野地区で栽培が始まり、現在は平塚市内13の農家で栽培されている。ホクホクとした食感と上品な甘さが「栗にも勝る」おいしさということから名づけられた。油との相性が良く、菓子作りに向いているという。

 吉川市郎副部会長によると、今年は梅雨に雨が少なかったため、例年より小ぶりの出来栄えという。出荷量は昨年より2トン多い、約15トンを見込んでいる。

 今年から10キロ、5キロ、800グラムを販売。JA湘南直売所「あさつゆ広場」で10月中旬まで購入できる。吉川副部会長は「5キロなら家庭でも需要があると思い、新しく販売することにした。レシピも入っているので一度食べてみてほしい」と呼びかける。

新規就農者も

 今年初めてクリマサリ栽培に取り組んだ大森純さん(38)は、車の板金工場に勤務していたが脱サラし3月に就農。市内下島や伊勢原市の畑でクリマサリをはじめ、きゅうりやなす、里芋、キャベツなどを育てている。

 9月1日にクリマサリの初収穫を行った大森さん。「初めてにしては上々の出来」と満足げな表情を見せる。

 大森さんは4年ほど前に離婚し、シングルファザーとして小4の娘を育てている。娘との時間を増やすため、「頑張れば頑張るだけ稼ぎになる」と、農家になる道を選んだ。勤務時間は娘が登校する午前8時から、愛の鐘が鳴るまで。「娘におかえりと言ってあげたいから」―父親としての顔をのぞかせた。

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