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平塚・大磯・二宮・中井 文化

公開日:2024.01.25

「真土事件」描いた書籍出版
目黒広一さん、電子版で

  • 作品の表紙

 真土地区で140年以上前に起きた「真土事件」と呼ばれる農民暴動を描いた電子書籍を、西八幡在住の目黒広一さん(77)が出版した。

 真土事件は明治11(1878)年、当時の大住郡真土村で質入れした土地の返還をめぐり蜂起した農民数十人が、戸長の松木長右衛門宅を襲撃、長右衛門や家族など7人を殺害し、4人を負傷させた出来事。目黒さんは、この事件をテーマに架空の人物を交えた小説風のストーリーを描いた。

 小学校教員として平塚市などで勤めた目黒さんは、退職後から本格的な創作活動に取り組み70歳の頃に小説を書き始めた。これまでは故郷の福島県南会津郡を舞台にした作品を多く発表してきた中で、今回は初めて平塚にまつわる出来事を題材に選んだ。

 真土事件を舞台にした物語は、教員だった50代の頃から構想を抱いていたという目黒さん。郷土史などの文献を参考に事件に関する情報を収集。その中で、物質的な豊かさに恵まれているとはいえなかった故郷と当時の真土村を重ね合わせ、物語のイメージを膨らませていった。

 足掛け20年以上にわたってストーリーを練る中で、近年はロシアによるウクライナ侵攻や安倍晋三元首相の銃撃事件など、「国家や国民、集団と個人など多様な関係における歴史的な出来事が相次いだことが執筆意欲を刺激した」と目黒さん。「歴史は掘り返す者がいなければ、遺跡のように眠ったまま」とも語り、かつて平塚で起きた凄惨な事件に光を当てることで、歴史と向き合うことの意義を伝えたいという。

 作品はアマゾンの電子書籍プラットフォーム「キンドル」から99円(税込み)でダウンロードできる。サイトから「目黒広一」で検索を。

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