日本花普及センターが主催する「花の国づくり共励会花き技術・経営コンクール」で、有限会社五領ヶ台ガーデン(南金目)の窪田敬一会長(73)と鈴江さん(66)夫妻が最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞した。県内からの受賞は初の快挙で、窪田会長は「花を作り始めて50年近くの努力が認められてうれしい」と喜んでいる。
同コンクールは、花き生産の分野で技術や経営の向上を図ることを目的に開催。優れた個人や団体を表彰するもの。窪田夫妻は南金目でユリやシクラメン、野菜などの鉢物と苗物100種以上を生産直売しており、安定した生産経営の維持や雇用、環境に配慮した生産の実施、花き生産の振興に寄与していることなどが評価された。
広川在住の窪田会長は平塚農業高校卒業後、県園芸試験場で1年間の研修を経て、父親が営んでいたカーネーション農家の一角でシクラメン栽培を始めた。1974年には当時花の生産量が世界一だったオランダに渡り2年間、栽培と繁殖技術を学んだ。その後32歳で会社設立。地域活動で出会った妻・鈴江さんとともに会社を大きくしてきた。
雇用、環境面で工夫
同社は出荷、販売の9割を注文を受けてから栽培し、出荷計画に基づいた栽培管理、栽培可能数の数値化を実施。これにより工程管理や物品の発注、在庫管理などを効率化し、労働負担の軽減を可能としている。また「できるだけ長く働いてもらいたい」との思いでパートタイマーの勤務時間は自由にするなど工夫を凝らし、70代で働き続ける人もいるという。
環境保全にも力を入れており、温度調整に使う重油の消費を抑えるため、ヒートポンプの設置や水のリサイクル、保温カーテンの活用などによる省エネ対策などに取り組んでいる。
地域貢献、後進育成も
神奈川県農業教育振興会幹事、JA湘南金目地区生産組合長連合会長を務め、地域社会活動も行う窪田会長は「農家はほかの農家さんとの協力なしではやっていけない。情報共有、連携が大事」と、ヒートポンプの設置の際には他の農家にも声掛けをして導入を勧めたり、自身の経営方法を伝えるなど農業の発展にも尽力している。
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