平塚市立野町にある湘南ブラジリアン柔術アカデミー(仲村マルシオ代表)に所属する芦川太一さん(西八幡・33)が9月16日、東京都で開催された「第7回全日本柔術選手権」に出場し、金メダルを獲得した。
自分の年齢より下のクラスには出場できる同選手権。芦川さんはアダルト(18〜29歳)クラスの青帯・ミドル級にエントリーし、6分1ラウンド制のトーナメントで11人が優勝を争った。
昨年の全国大会で負傷し、約1年ぶりの復帰戦となった芦川さん。ブランクを意識させない動きで初戦、2回戦と勝ち上がり、決勝戦では格闘技イベント・RIZINで活躍する武田光司選手(29)と対戦した。「最初は同姓同名の別人かと思った。憧れの選手と対戦できて夢のよう」と振り返る。
試合が始まると、レスリング出身の両者は似た構えでけん制し合う。先に仕掛けた芦川さんが投げでポイントを取り、そのままバックに回り絞め落とした。約40秒、一瞬の決着だった。芦川さんは「最高にうれしい。有名選手が大会を盛り上げてくれて感謝しかない」と思いを語る。
ブランク10年、新たな挑戦
レスリングの五輪選手も輩出する家系だったが、小学6年で始めた柔道はあまり振るわなかった。当時の指導者の勧めでレスリングに転向し、高校で頭角を現すと、神奈川大学在籍時には国体で5位に入賞した。
教員を志していたため、大学卒業とともに引退。現在は大磯町立国府中学校生沢分校で数学教諭を務める。2年ほど前にふと、「また試合のヒリヒリとした緊張感を味わいたい」と思い立ち、通勤中に見かけた柔術道場の門を叩いた。
格闘技のブランクは10年、柔術を始めてから約2年ながらすでに数々の大会で入賞。9月26日から名古屋で開幕した世界大会に出場しており、「昨年負けた選手が出場している。目指すはリベンジ」と意気込んだ。
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