自然豊かな根府川の地域資源を保全、活用しようと昨年末、地元有志らで「ねぶ川里山を守る会(廣井隆史会長)」を結成した。
根府川は、数年前からおかめ桜を千本近く植栽し、祭りを開催するなど、「花の郷」というイメージを根付かせようとしている。同会はこれに加え、今も残る里山風景を守りながら、ハイキングコースとして整備し、地域発信・誘客につなげようと発足された。
現在活動の柱の一つにあげるのが、仮称白糸川七滝周辺の整備だ。白糸川上流の渓谷には大小さまざまな滝が群在する。このうちの一つは、地元住民の間で「インノウの滝」と呼ばれ、昔から周辺に花こう岩が堆積して石畳のようだったという。年月と共に木々や下草に覆われていたが、この程同会が現地を状況調査し、草刈りや伐採など整備に乗り出した。2月24日にはメンバー9人が1日かけて除草作業に従事。石畳の表面がうっすら姿をみせた=写真。
「幼少期に冒険し石畳の上でおにぎりを食べた。そんな昔の姿を再現できたら」と同会顧問の内田昭光さん。立ち入るには危険な箇所が多く、所有権等の問題もあり、一般向けにはまだ解決すべき課題が山積している。だが廣井会長は「地域の事を考える会になれば」と意義を話す。自然を守り、地域の魅力を伝える地道な活動が続けられている。