ヴォックス音楽吟詠会の全国決勝大会「81歳以上の部」で優勝した 栗原 早苗さん 小田原市荻窪在住 82歳
日々を楽しみ、学ぶ気持ち
○…10月6日に名古屋で行われた「ヴォックス音楽吟詠会 全国決勝大会」(81歳以上の部)で見事優勝。詩吟に親しみ50年以上だが、初の大舞台を「幾つになっても緊張しちゃう。やる前は震えてました」と照れ笑い。入賞から順に発表されるも番号は呼ばれず、諦めかけた中「最後がまさかの自分」だった。「これまでの精進へのご褒美かな。明るい話題ができてうれしい」
○…山北町生まれ。高3の時に国語教諭がふと詠んだ「少年老いやすく学なりがたし」が詩吟との出合い。社会人になり何か習い事でも、と考えた際に浮かんだのがあの節回し。「好きなことはずっと続けたかった」と、家事や育児で忙しい時期は愛好仲間と講師を招いた自宅教室にも取り組んだ。「先生が亡くなって教える側になるべきか悩みましたが、学びたい気持ちが強かった」と、8年ほど前から市内の詩吟教室に通う。新たな流派に飛び込み、ようやく詠みも馴染んできた。今は仲間との食事も楽しみの一つ。
○…小2から続く習字に押し花やフラワーアレンジなど、多彩な趣味で心を整える。日々の日課は早朝に取り掛かる家族の弁当作りから。素材に気を配りながらの献立作りは「頭を使うから大変だけど、誰でも身体が資本でしょ。こっちも生きがいになってます」。スマートフォンに収められた弁当の数々が心身の健康を支えている。
○…抑揚をつけた言葉から浮かぶ情景。同じ景色を感じてもらえるのが詩吟の魅力。「声だけで楽器も必要ないし、80歳を超えて優勝だってできる。若い人から注目が集まってるっていうけど、もっと『面白いんだから!』って言いたい」。大きく笑い、快活に話す様子からも魅力を伝えたい思いが伝わってくる。
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