小田原市の山林を活用したアウトドア施設を運営する(株)T─FORESTRYがこのほど、2024年度農林水産祭の林産部門で最高賞となる「天皇杯」を受賞した。同祭林産部門の天皇杯受賞は同社が県内で初となる。
農産・蚕糸と園芸、畜産、林産、水産、多角化経営、むらづくりの7分野で優れた取り組みをたたえる農林水産祭。大臣賞に選ばれた463点の中から各部門1点に贈られる「天皇杯」に同社が選出された。
江戸時代から市内藩有林で林業が行われてきた「辻村農園・山林」を管理する同社。今回の天皇杯受賞は、森林資源を生かそうと開設した樹上アトラクション施設「フォレストアドベンチャー」やマウンテンバイク施設「フォレストバイク」などが、都市部の新たな林業経営スタイルとして評価されたものだ。
木材販売による収入が年々減少する中、持続可能な森林サービス産業の好事例を示した同社。施設導入に取り組んだ鈴木毅人統括マネージャーは「10年以上行ってきた山林活用の多角経営が認められたことがうれしい。地方の大山林ではない、神奈川での先進的な取り組みが注目されていることを誇りに思う」と話す。
次代への循環を
11月23日に都内で天皇杯が授与され、26日には同社の辻村百樹(ももき)代表取締役らが市役所を訪れ、加藤憲一市長らに報告を行った。
辻村代表は「小田原、神奈川の山が林業として最高峰の賞を頂けたことを光栄に思う。材木生産だけでなく、楽しんでもらいながら経済の好循環を生むことで、次の世代のための循環をつくろうという取り組みが評価されたのはうれしい」と喜びを語った。
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