小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2025.03.15
小田原フォニックスソングを作ったプロジェクトの代表を務める
戸田 麻利亜さん
小田原市本町在住 44歳
小田原から社会に変化を
○…「自分に何ができるか模索中」。目指すは社会起業家という生き方。利益追求ではない、社会性のある事業展開を見据え、初めのステップとして「小田原フォニックスソング」をつくった。OECD(経済協力開発機構)によって示されている「ラーニング・コンパス」(学びの羅針盤)に倣い、グローバルとローカルの両方の視点を大切にした学びで子どもの生き抜く力を養う「グローカル共育」を小田原から実践していく。
○…転勤族で、各地を転々として育った。生涯を通じて国際協力に尽くした父と、愛知県に看護学校を創設した曽祖父を持つ。今ではリスペクトしている二人だが、その利他的な生き方を肯定するのには時間がかかったという。商社に勤めたとき、経済力のある名家に生まれ優雅な生活を送る同僚に囲まれると、「社会のためにとか、恥ずかしくて言えなかった」。
○…変わり始めたのは20代後半以降。元夫がうつ病になったことや、ダウン症の子どもを授かったことなどが重なり「人のために、という志向が自分にもあることに気付いた」。一昨年は社会起業家を養成する塾にも1年間通い、父や曽祖父と同じ道を歩き始めた。現在は4人の子どもを育てながら、都内の認定NPO法人で会長秘書として働く。「弟子入りしている気持ち。給料は下がったけど、今が一番幸せ」
○…6年前に小田原に移住。海岸でメディテーションやテントサウナができる生活。「今まで住んだ中で小田原が一番良い。東京にいたころと比べてQOL(生活の質)が爆上がりした」。小田原から広めていきたいのは、イノベーターが輩出される学び。「日本の教育は発達のデコボコを標準化する」。この問題意識から出発して、社会に変化の種を植えていく。
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