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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2025.10.18

絵本『奇跡のリレー』を出版した山田クリニックの院長
山田 洋介さん
小田原市板橋在住 81歳

命の尊さ 絵本で紡ぐ

 ○…「とにかく助けようと必死だった」。愛犬の救命体験を基にした絵本『奇跡のリレー』をこのほど発行。1歳にも満たない愛犬が、医師としての経験、そして医師仲間や獣医師の迅速な連携によって一命を取り留めた感動をつづった。初めてながら文章と絵を自ら手掛け、「制作の合間に仕事をしていたかも」と茶目っ気のある笑顔を浮かべる。「命の尊さを考えるきっかけになれば」と、込めた願いを語る。

 ○…和歌山県出身。小学生のころ、病弱だった母親の主治医に憧れ医師を志した。京都の医科大学を卒業後、都内の病院で経験を積み、小田原市内の病院へ。風光明媚な小田原にすぐに魅了された。「早川漁港からの海がとてもきれいで、人も優しいし」。1983年に地域住民からの声もありクリニックを開業。産業医や看護学校の講師なども務め、長きにわたり地域医療を支えている。

 ○…「ペットショップで目が合ったときから忘れられなくて」。昨年春から家族に迎えた愛犬「ホームズ」は、病を乗り越え以前にも増して元気に。「いたずらも激しくなったかも」。それでも「いてくれるだけで安心する」と目を細める。ホームズは今や近所の小学生のアイドル的存在。「窓越しに遊んだり、一緒に散歩したり。フレンドリーな子なんだよね」、その可愛らしさに思わず頬を緩める。

 ○…診察を終えても忙しい1日は終わらない。将棋を指し、医師仲間と勉強会を開き、医師会合唱団にも参加。「夢中に何かするほうが活力がわく」。最近は『奇跡のリレー』の英訳を作成。小田原市の友好都市、オーストラリア・ノーザンビーチーズ市に送るという。「コロナ禍で途絶えた交流が、絵本を機に再会につながれば」。新たな夢のひとつだ。

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