小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2026.01.01
新春特別医療企画
地域医療、新たな段階へ
小田原医師会・渡邊清治会長に聞く
高齢化に伴う医療需要の増大など中長期的な地域医療の課題に向き合いつつ、日々細やかな診療で市民の健康を支えている小田原医師会。今年5月、地域医療の中核施設「小田原市立総合医療センター」が開院する。県西1市3町(小田原市・箱根町・真鶴町・湯河原町)を管轄する小田原医師会の渡邊清治会長に、地域医療の現状とこれからについて聞いた。
感染予防、水分補給で冬の健康維持を
--今冬は季節性インフルエンザの流行の時期が、例年より早いことが注目されました。今後の注意点などを教えてください。
「今シーズンの季節性インフルエンザは昨年10月上旬に流行が始まり、12月初旬にピークを迎えました。例年より2カ月ほど早く、ここまで早いと『後半に別の型のインフルエンザが流行するのでは』と心配される声もありますが、遷延化する可能性はあります。また、インフルエンザと入れ替わるように、新型コロナウイルスの流行が始まる可能性があるかもしれません」
--ウイルスから身を守るポイントは。
「まずは感染しないこと。手洗い、うがい、そして人混みでのマスク着用。基本的ですがこれが最も効果的です。一部で『水やお茶などをこまめに飲み、口や喉に入ったウイルスを飲みこんでしまえば胃酸で死滅する』という言説も聞きますが、全てのウイルスが死滅するわけではないので、やはり体内に入れないことが一番です」
--冬の体調管理についてもアドバイスを。
「水分補給や湿度に気を配っていただきたい。空気が乾燥すると、インフルエンザ以外にも喉の症状やアレルギー症状なども引き起こす要因となるため注意が必要です。全身が脱水状態にならないことも重要です。夏に比べて冬は水分をとる量が減りがちです。朝起きたらコップ一杯の水やお湯を飲むことをお薦めします。血流や消化器の動きもよくなり、腎臓の機能を保つためにも効果的です」
「総合医療センター」開院地域医療の向上、維持へ
--新しい小田原市立病院「小田原市立総合医療センター」がいよいよ5月に開院します。
「長年の目標である地域完結型医療をより高い水準で実現できることになります。口腔外科の導入や高度な機能を持つ新しい機材・設備が備わることで、特殊な病気を除きほとんどの疾患がこの地域で完結できるようになる。また医療体制の再構築も図られます。センターとして診療科が横断的に連携することで、疾患をより総合的に診療できるようになります」
--センターは「医療人材育成」の拠点としての役割も掲げています。
「研修医はさまざまな専門科と交流することでオールラウンダーとして総合診療の研修を積む機会が増えます。医師数が限られる中、増加する患者に対応する医療体制づくりにもつながります」
--医師会として地域連携についての方針は。
「高齢化に伴い、医療と介護の連携が大きな課題となります。例えば入院しても状態が完全に戻らず医療が必要な状態で退院せざるを得ない高齢者を、どこで受け入れるか。介護のコミュニティや行政との連携を深めていく必要があります。診療所、病院、介護施設間の連携を強化するためには患者さんのデータを共有するネットワークの導入も急務です」
--医療機関の厳しい経営環境に関する調査結果が報じられています。
「物品購入費、医療機器の保守費の値上がり、診療報酬のカットが経営を圧迫しています。『病院は赤字だが診療所は黒字』といわれることがありますが、実際には診療所の3割から4割が赤字です。加えて『医師の働き方改革』の対象から開業医は除外され、24時間患者を診る体制を求められるなど過重労働も深刻な問題です。地域医療を維持していくためには医療機関個々の努力はもちろんですが、厳しい経営状況と医師が身を削って地域を支えている現実を地域の方に知っていただき、市、県、国に必要な支援を求めることも重要だと考えます」
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