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公開日:2013.08.03

世界遺産と地元をつなぐ
「開成町の富士信仰」を刊行

  • 富士山信仰に関連する開成町の石碑や話などをまとめた

 開成町文化財保護委員会(井上東亜委員長、5人)では富士山の世界文化遺産登録を記念し、このほど小冊子「開成町の富士信仰」を刊行した。



 同書はA4判の全13ページ。富士山の誕生から造山噴火活動などの歴史、開成町にある富士塚や富士山信仰にまつわる話などが一冊にまとめられている。



 刊行の背景には、富士山の文化遺産登録が決まった6月22日以降に、文化財保護委員会の元へ富士山についての問い合わせが何件かあったことによる。同委員会では「それならば、これまでに発行してきた資料や関連の論文などから開成町と富士山のかかわり、富士山信仰にまつわる部分などをまとめた資料を作ってしまおう」と刊行に至ったという。



富士信仰にあつかった足柄上地域



 同書によれば、開成町では「富士山に登る」「(自分では登れない場合)代行登山を頼み、その時の杖やご朱印を大切にする」「富士山を信仰する仲間でグループ活動をする(富士講)」「自宅の庭先や公共の場に富士塚や富士信仰の碑を建てる」「近くの浅間神社にお参りする」等の富士信仰があったという。



 井上委員長は「かつて矢倉沢往還が富士詣をする人たちの街道として利用されていたように、開成町を含む街道の周辺地域は富士信仰のあつい地域だった。(この小冊子が)足柄上地域の人々に富士山が昔から愛されていたことを伝え、読んだ人が今まで以上に富士山を身近に感じて、富士山を今の美しい姿をとどめながら後世まで残していければ」と話している。



 小冊子は開成町民センターの図書館で閲覧できるほか、希望者には同町教育委員会が無償で頒布する。また今後、同町発行の広報誌で、開成町と富士山について子どもにもわかりやすい内容にまとめ直した連載コーナーも設けられる予定。

 

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