放課後の小学生を預かる学童保育を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)『風の子広場』=南足柄市千津島705番地=が16日、南足柄市文化会館で第1回社員総会と設立報告会を開いた。報告会には県関係者らも出席し「極めて画期的な取り組み」と期待感を示した。
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報告会には、南足柄市の加藤修平市長と瀬戸良雄県議をはじめ、南足柄市教育長、同市議9人のほか、市内小学校6校の校長とPTA役員、市内5園の保育園長、市外の議会議員ら約50人が出席した。神奈川県議会議員で「神奈川県の学童保育(放課後児童クラブ)を支える議員連盟」の会長を務める牧島功氏(70)=横須賀市=と、神奈川県次世代育成部の石渡美枝子課長の2人が基調講演した。
牧島氏は「保護者が学童保育のNPO法人を設立したことは極めて画期的で注目している。県内全域で取り組むべき学童保育のモデルケースになる。今後も注目し、支援していきたい」と関係者を激励。学童保育について、【1】市町村格差の是正、【2】父母の負担軽減、【3】指導員の待遇改善が「今後の課題だ」と指摘した。
牧島氏はさらに、自治体の子育て支援策を「『選択』のリトマス試験紙」にたとえ「選ばれる自治体になるには子育て支援の強化が重要」との認識を示し、地元自治体の支援を求めた。
南足柄市には公立小学校が6校あり、学校区ごとに8カ所の学童保育がある。いずれも子どもを預ける保護者が指導員を雇用し、利用料と市からの補助金(国県含む)で運営している。利用者は1年生から4年生まで300人いるが、施設環境や公的補助の割合の低さが課題視されている。
報告会であいさつした加藤市長は「利用者への助成や学童保育所に対する運営費の拡充、NPO法人への事務的支援などを着実に実施していく」と話した。
理事長にヤオマサ会長
報告会に先立ち開かれたNPOの社員総会では、県西部を中心に生鮮食品店を展開するヤオマサ(株)の田嶋享会長(80)が理事長に選出された。本紙の取材に田嶋理事長は「企業会員を50社以上まで増やしたい、従業員が安心して働ける環境づくりに企業が参画する風土をつくりたい。単に子どもを預かるだけではなく、報徳の精神をもとに様々な体験の場も提供したい」と抱負を述べた。
地域ぐるみで
NPO法人「風の子広場」は学童保育を利用する保護者らが昨年秋に設立。4月から市内5カ所の学童保育を受託運営している。
今後は南足柄市を拠点に学童保育を運営するほか、保育の人材育成や夏休みなどを中心に小学生への体験プログラム提供などにも取り組む予定。
ヤオマサ(小田原)や野地電機(南足柄市)などが法人会員に名を連ねている。問い合わせは同法人事務局【携帯電話】080・6518・6072へ。
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