松田町はこのほど、町内の空き家を安全に管理し、地域資源として活用するための計画をつくり一般に公開した。県内では横浜市に次ぐ2番目の策定となった。
計画はコンサルタントなどに策定を委託せず職員が立案した。必要に応じて県や司法書士会、弁護士など外部団体から意見を聴き取るなどして計画案をつくり、パブリックコメントを実施して策定した。
委託すれば数百万円を要したが「費用をかけずに策定できた」という。
「地域資源」
計画期間は2019年度までの4年間。管理されず放置された危険な空き家への「安心・安全の確保」や、空き家を地域資源と位置づける「活用促進」、空き家にしない「予防推進」を3本柱に地域コミュニティや活力の維持をめざして対策を講じる。
現状では倒壊が懸念される危険な空き家はないが、そうならないよう配慮しながら、空き家を地域資源として活用する考えだ。
社会問題化
空き家をめぐっては、火災や倒壊の危険など安全性の低下や公衆衛生の悪化、景観の阻害などが社会問題化している。こうした背景を受けて国は2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行して対策を本格化した。
特措法では安全上問題のある空き家に対して自治体が改善を指導、勧告、命令できることを定め、場合によっては代執行で取り壊すことができ、その費用を持ち主に請求できる。支払わない場合は土地を没収して競売にかけることもできる。
2013年の国の統計によると、空き家は全国に6036万戸あり5年前より5・3%増加。神奈川県内には435万戸あり同じく13・6%増加している。
松田町が2015年に実施した実態調査では60戸の空き家が確認されたが、人が住んでいない家は80戸以上あるという。
寄り添う姿勢
松田町には空き家バンクがあり登録数は約20件あるがその大半が集合住宅だ。一見すると人が住んでいない戸建住宅も目立つが、売却には慎重な家主が少なくないという。
さらに家主とすれば、土地の固定資産税が上がる建物の解体や、改修に費用をかけるよりも、住宅として維持して固定資産税を支払いながら維持した方がリスクも低い。
今後もこうした実態を把握したうえで家主に寄り添う政策が求められそうだ。
町内の空き家に関する問い合わせは、松田町定住少子化担当室【電話】0465・84・5541へ。
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