南足柄市斑目に住む専門学校生、大野僚久(ともひさ)さん(20)=横浜BAY・FCがこのほど、CPサッカー日本代表に選ばれ、7月29日からデンマークで開催される国際大会に代表選手として出場することが決まった。
CPサッカーは、脳性まひの人による7人制のサッカーで、CPは「Cerebral(脳からの) Palsy(麻痺)」の略。
1984年のニューヨーク・アイレスベリー大会から2016年のリオデジャネイロ大会まではパラリンピックの正式種目だったが、2020年東京パラリンピックでは競技種目から除外された。
アジア大会や欧州選手権、世界選手権もありルールもほぼ11人制と同じでピッチとゴールの大きさは少年サッカーとほぼ同じ。日本サッカー協会からの推薦により元Jリーガーの安永聡太郎氏が代表監督を務めている。
日本CPサッカー協会(丸山直樹代表理事、東京都港区)によるとCPサッカーチームは国内に8チームあり競技人口は130人ほどだという。今年4月と5月に選考会が開かれ30人の候補選手から7月の国際大会に出場する代表選手13人が選出された。
高1の春
小学2年生でサッカーを始めた大野選手は、福沢SC、足柄台中サッカー部、ヘラクレス大磯を経て高校生からフットサルに転向し、ロンドリーナに所属した。
吉田島総合高校に入学した2011年4月に大井町内のフットサルコートで練習中に脳内出血で倒れ1週間、意識が戻らず生死の境をさまよった。脳静脈奇形が原因だった。
一命は取り留めたものの右半身にまひが残り、入退院を繰り返し、手術とリハビリを重ね翌年2月に学校へ復帰。そのまま留年して2015年に同校を卒業し、現在は社会福祉士をめざして厚木市内の専門学校に通っている。
大野選手は「必死にリハビリをしてだいぶ回復した。単語をしゃべるのがやっとでしたが、今はほぼ元通りになった」と話す。懸命のリハビリが功を奏し、走れるまでに回復。今年4月に「ネットで探した」という横浜市内のCPサッカーチームに入団した。
初の海外遠征を前に大野選手は「正直緊張していますが、病気になったお陰で今があると思う。体が今よりもっと回復したらもう一度フットサルに挑戦したい」と目標を見据えている。
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