山北町の今年度のふるさと納税額が総額2億円を突破した。返礼品として用意した「おせち」のヒットが要因で、町は「想定外の反響」と目を丸め「ギリギリまで予約を受け付けたがもう限界」と嬉しい悲鳴を上げている。
町は今年4月から、大手ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」の利用を開始し、これに合わせて足柄牛や足柄茶、温泉宿の宿泊券など28品の返礼品を用意した。
2015年度は1年間で42件100万円の寄付があり、今年度の当初にはサイト利用を予定していたことから「期待と不安を込めて」(商工観光課)300万円の寄付を見込んだ。「集まった寄付金でぶなの湯の修繕をして、欲を言えば他のことも…、と甘い期待をしていた」ともいう。
夏が過ぎた9月のある日、ふるさと納税を担当する職員の竹内祐二さん(31)が、山北町岸の工場で冷凍惣菜を製造する「トオカツフーズ(株)」(本社・横浜市港北区、反田英樹代表取締役社長)に返礼品への参加を打診した。テレビ番組で紹介された「冷凍弁当」が目当てだったが、その商品が自社商品ではなく委託製造の商品だったため取り扱いを断念。同社の提案で9月末から「おせち」を返礼品として扱うことにした。
同社第2営業部の森田道昌さんによると「当初は300個程度を予想していた」が、10月中旬から「おせち」目当てと見られる「桁違いの寄付金」(商工観光課)が寄せられるようになり、その額は12月5日時点で7958件2億400万円にものぼっている。
同様に取り組む近隣自治体の平均寄付額は約2千万円で、山北町の大当たりをうらやむ声も。トオカツフーズの森田さんは「来年はさらに増産できるよう準備万端でのぞみたい」と、年の瀬を前にほくほく顔だ。
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