足柄上郡5町(大井町、松田町、山北町、開成町、中井町)でつくる、あしがら地域創生推進連携協議会がこのほど、圏域における地域づくりの指針となる「あしがら地域広域ビジョン」を策定した。
2016年2月に小田原市と南足柄市が合併を含む中心市のあり方について協議を始めることを表明した。それを受けて5町は、情報共有のため副町長レベルの会議を設置。南足柄市が広域連携から離脱した場合の影響を調査研究してきた。
昨年末に両市が合併を見送ると、その会議体を「あしがら地域創生推進連絡協議会」とし、5町全体の人口が2割以上減少するとされる2040年に向けて圏域のあるべき姿や必要な施策の方向性に関する協議を重ねた。
とりまとめたビジョンでは5町全体を「あしがら地域」と位置付け「いつまでも住み続けたい魅力と活力のある『あしがら』」とする将来像を定めた。地域の魅力と経済性などの活力を高める方針を5町で共有し、各町民の満足度を高め人口流出を抑制したい考え。
これまで課題視されてきた中井町と4町の交流促進にも取り組み、県西地域の自治体以外にも秦野市や二宮町、静岡県小山町との連携も新たに進める方針も掲げた。
ビジョンの策定にあたっては5町がそれぞれ選出した若手職員15人も議論に加え、次世代への継承も念頭に置いた。
今後、各町が随時更新する総合計画にこのビジョンの方向性を盛り込むことで5町は一致しているが、事務レベルの性質上、政治判断を伴う市町村合併や国が提唱する連携中枢都市圏構想の検討は控えた。協議会事務局の開成町企画政策課によると、国や県の主導で広域ビジョンを策定することはあっても、複数の基礎自治体が主体となり策定する取り組みは珍しい、という。あしがら広域ビジョンは、開成町のほか各町のホームページから閲覧できる。
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