大野山で育った足柄牛が、10月3日に東京都中央卸売食肉市場で開催された「第59回関東肉牛枝肉共進会」交雑種の部で最優秀賞を受賞し、26日に関係者が山北町の湯川裕司町長に受賞報告した。
山北町皆瀬川の大野山で足柄牛を飼育する大野山かどやファームは、2016年に県が廃止した乳牛育成牧場を活用して同年4月に開業した。
25年ほど前に足柄上地区と秦野市の畜産農家30軒が生産組合をつくり足柄牛の生産を始めたが、現在は9軒まで生産者が減った。
そうしたなか食肉卸売販売の(株)門屋食肉商事(二宮慶晃社長、小田原市鬼柳)が直接生産に乗り出した。
静かな環境で
昨年11月の大野山産足柄牛の初出荷を前に、県の共進会に出品した牛が入賞し、上部の関東大会でも最優秀賞の次点となる1等1席を受賞して注目を集めた。
その後、常時120頭の飼育が軌道に乗り、毎月8頭ほどの足柄牛を出荷している。今年10月に大野山産の足柄牛としては2度目の挑戦となる関東共進会で、出品した月齢27カ月体重872キロの交雑種(黒毛和牛とホルスタイン)が、10頭の中で唯一A4ランクの格付けを獲得し、最優秀賞を射止めた。
二宮社長は「大野山はミネラル豊富な水ときれいな空気、静かな環境で飼育条件が優れている。これまでは交雑種を飼育してきたが2年連続で上位の評価を頂いたので、今後は黒毛和牛の生産も考えたい」と話していた。
受賞報告を受けた山北町の湯川裕司町長は「山北町で育った牛が高い評価を得たことは喜ばしいこと。大野山の山頂で足柄牛を楽しめるようなイベントなどにも期待が膨らむ」と報告を喜んだ。
足柄茶の粉末
大野山かどやファームでは、毎月8頭の子牛を群馬県から仕入れ、山道を運搬して大野山山頂付近の牛舎で飼育している。
通常は15分ほどで牛舎に到着する道のりだが、30分以上かけてゆっくりと運搬し、骨格が形成される子牛の時期に足柄茶の粉末を混ぜた牧草を与えるなどしている。
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