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福澤神社「文命幟(のぼり)」 江戸中期の麻と判明 文命堤完成時、幕府が下賜

文化

掲載号:2019年1月5日号

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文命幟を手にする山口さんと研究家の大脇良夫さん=南足柄市怒田・福澤神社
文命幟を手にする山口さんと研究家の大脇良夫さん=南足柄市怒田・福澤神社

 南足柄市怒田の福澤神社で2009年に発見された幟が、江戸中期の麻でできていることが専門機関の調査で分かった。

 福澤神社は、江戸幕府八代将軍徳川吉宗の命を受けた田中丘隅が築堤し、酒匂川左岸の岩流瀬土手と右岸の大口土手を修復した「文命堤」を守る目的で創建された。

 当時の酒匂川は1707年の富士山噴火に端を発する大洪水に度々見舞われ、特に右岸流域が大きな被害を受けた。

 防災意識高揚のため中国に伝わる治水神「禹(う)」の祠を田中丘隅が勧進し旧暦4月1日(5月5日)に祭礼を行うよう地元の村々に命じた。その際に幕府が幟を下賜したことが1779年の小田原藩古文書に記されている。

 当時のものとみられる幟が2009年に千津島で見つかり神社へ寄贈されたが、神社総代会(山口御冨美男総代代表)が昨年11月、禹王研究家の大脇良夫さん(77)=開成町の勧めなどを受け、幟の年代調査を山形大学に依頼。含有炭素量から、1641年から70年頃に収穫された麻である可能性が高いことが分かった。

 禹王研究家の大脇さんは「鑑定結果に興奮している。10年前に土中から発掘された文命宮の祠に次ぐ発見」と話し、総総代の山口さんは「神社の歴史がひとつずつ紐解かれていくことが誇らしい。今年5月の祭礼に向けて神社の歴史をPRしたい」と話している。

 幟は幅60センチ、長さ160センチ。麻布を藍で染め木版画と見られる楷書で「文命」と書かれている。
 

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