はだのっ子 いま・みらい 教育寄稿第28回 今こそ日本人の底力を 内藤 美彦
3月11日は、日本人にとって忘れられない日となりました。日本観測史上最大のマグニチュード9・0の大地震。大津波は多くの町や命をのみ込み、市民は寒さと飢えの生活を強いられています。愛する肉親や友に家まで失った人の計り知れない悲嘆、原発からの放射性物資の大量放出への恐怖など筆舌に尽し難い悲惨な出来事でした。
この大災害を受けた被災者への援助・救助に、日本人は総力を挙げて頑張っています。「無縁社会」などと軽々しく、口にすべきではないでしょう。みんなが繋がっているという実感があります。
世界の国々からも支援の手が差しのべられています。国連も「日本は今まで世界中の国を援助した国だ。今度は国連が全力で日本を援助する」と声明しました。アメリカは言うに及ばず、中国やロシアまでも救助隊を派遣してくれたのです。
また、この大災害での日本人の行動を、外国では次のように伝えているのです。「犠牲は出たが、他の国ではこんな正しい行動はとれないだろう。日本人は感情を抑制する力がある」(英国・BBC放送)。
「日本には、最も困難な試練に立ち向かうことを可能にする人間の連帯が、今も存在する」(タス通信)。
「日本人は秩序を守り、他人を助けることが自分を助けることだと知っている」(韓国・聯合ニュース)。
こうした外国の人々の称賛は、日本人にとって誇りであります。同時に、その評価に恥じないようにと、心を奮い立たせるのです。実際、被災地には身の危険もかえりみず、黙々と災害復旧に従事している多くの人たちがいます。水につかった車中の高齢者を救った少年の話など、暗闇を照らす灯のような話もたくさん伝えられました。
被災地の人たちは、前日とは一変した窮乏生活に耐え、助け合い、復興へと立ち上がっています。それを支援する善意が日本中から続々と贈られているのです。
こうした勤労・助け合い・忍耐などの日本人の美徳は一朝一夕に備わったものではありません。こよなく美しい、それでいて時に苛酷な日本の自然との長い共生の歴史の中で育まれたものです。この美徳が日本を復興させます。今こそ、日本の底力を世界に示す時です。
■プロフィール
横浜国立大学卒業。秦野市立小学校教諭。秦野市立本町小学校校長。秦野市教育委員会教育長を歴任。
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