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秦野 はだのっ子 いま・みらいコラム

公開日:2011.07.09

はだのっ子 いま・みらい
教育寄稿第32回
認める、褒めるが人を伸ばす
内藤 美彦

 もうすぐ1学期が終わります。小学校では、学習指導要録(学籍並びに指導の過程、結果の要約を記録し、指導及び外部に対する説明に役立てる原簿で、子供を引き継ぐ教師の指導の参考、転校、進学、就職等に使用)の改訂に伴い、市内小学校の通信票「あゆみ」も衣替えをするようです。



 教育評価を考える時、論議されるのが「相対評価」と「絶対評価」の問題であります。いずれも長短あり、互いに補完し、妥当性・信頼性のあるように、要録は工夫されてはいます。



 相対評価は、集団の中で学習等の成績程度はどの位であるかを示すのです。かつては、評点5は全体の7



%、40人学級では2〜3名と決められていました。本人がいかに努力しても、上位が頑張れば、5はとれません。一方、絶対評価は学習目標の達成度で評価します。難点は到達目標の設定と教師の主観が入り易いことです。この考えが10年ほど前から主流になっています。テストで100点でも、5と評価されなかったのが、目標に達したかどうかで評価されますから努力の成果は分かります。が、クラスの中でどの位か、他人との比較はありません。



 入試や入社試験などは、合格するためには、採用人数以内に入ることです。相対評価といえます。資格試験で、採用人数に関係ない場合は、合格の基準に達すれば良いので、絶対評価です。どちらの評価が、意欲を高めるかは、本人次第といえます。ただ、通信票の「あゆみ」の活用で、学習意欲を増進させたいです。



 ところで、幼児が物覚えに優れていることには驚かされます。脳の発達が著しい時期ではありましょうが、幼児が覚えたことを表現すると、親や周りの人が大げさに驚いたり、喜んだりします。それが良い刺激になって、新しいものへの関心や好奇心が深まるのです。そして、次々と身に付けていくのだと思います。つまり、周囲の「成果を認める」や「褒める」という行為が意欲を引き起こすのです。



 人の見方に「加点法」と「減点法」とがあります。前者は美点を見つけていくのですが、後者は欠点を取り上げます。人を伸ばすには前者が有効です。日常でもそうですが「あゆみ」を通し、褒める材料を見つけ、自信を持たせてください。



■プロフィール



横浜国立大学卒業。秦野市立小学校教諭。秦野市立本町小学校校長。秦野市教育委員会教育長を歴任。

 

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