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秦野 はだのっ子 いま・みらいコラム

公開日:2012.06.02

はだのっ子 いま・みらい
教育寄稿第43回
困っている人を助ける喜びを
内藤 美彦

 「困っている人への思いとそのために尽くすことの喜びを知りました」。これは高校1年の女生徒が「国際協力機構」の応募に寄せたエッセイの中の言葉です。



 東日本大震災に世界各国から多くの援助がありました。その中で、彼女は「アフガニスタンから4百万円」ということに衝撃を受けたのでした。他国から比べれば金額は少ないものの、国民の多くが1日2ドルで暮らしている貧国な国だと聞いています。そのことを思うと自然に熱いものが込み上げてきたそうです。



 それをきっかけに、ボランティア活動に参加し、インドの学校に文房具を届けるため街頭募金を始めました。駅前で声をからしての呼びかけに、多くの人が応えてくれたのでした。このことから、人を助ける行為は、人の心を動かし、自分自身をも力強い人間に変えた、と述べています。



 海外で活躍している日本人の紹介をテレビが放映していました。そこに10年間もウガンダで図書館活動をしている女性がいたのです。彼女は、この地で夜になると、自家発電している家から漏れる光に群れて、本を読む子供に出会いました。何とかしたいと思ったのが動機で、移住したのでした。夫は、東京で働き、資金作りしているそうです。



 先だって、相模原に住んでいる友人に会いました。彼が何年か前、仲間6人と渋沢丘陵から震生湖を訪れた時のことです。帰路、雨が急に降ってきたので、近くの家の軒先で雨宿りしていました。すぐ止むと思っていたのに、止みません。



 そこへ1台の乗用車が通りかかり、急ブレーキをかけたのでした。「どこまでいらっしゃるのですか」「秦野駅です」と答えると「3人ずつ駅まで往復しましょう」と言ってくれたのです。まさに地獄に仏と感激して「お住まいとお名前は」と訊ねると「せっかくこの町を訪ねられたのに、雨で嫌な印象を持たれるのは、この土地の者として残念ですからお送りしたのです」と名前は言われませんでした。



 友人はこの行動に深く感動し、秦野市役所にこの旨を書いて、お礼の言葉を送ったそうです。これを聞いた私も、自分のことのように嬉しくなりました。困っている人に気づき、手助けすることによる喜びを味わう日々でありたいものです。

 

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