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秦野 はだのっ子 いま・みらいコラム

公開日:2012.06.23

はだのっ子 いま・みらい
教育寄稿第44回
そうじは人の心も磨く
内藤 美彦

 先だって、早朝のラジオ放送を聞いた先輩が「凄い校長がいる」と話してくれました。それは、南足柄市の中学校の校長で、便所掃除を率先してやっているとのことでした。よく聞くと、その方の教師の出発は秦野で、基礎を培われました。今でも、この頃の先輩教師との交流があると聞き、親しみを覚えたのです。



 この校長は、自分の勤める市の「中学校区を美しくする会」の代表として、地域の公園などの清掃活動も行っています。また「かながわ便教会」(教員が中心となり、学校などの便所掃除をする)の世話人もしておいでです。「自分の心を取り出して洗うことはできないが、便所を磨くことによって、自分の心を磨いている」という考えで実践されています。



 この活動は、「イエローハット」の創業者鍵山秀三郎さんが始められた「日本を美しくする会」につながっているということです。鍵山さんは、自分の会社の掃除から始め、公共施設の便所や街頭の掃除をする会を発足させました。お店をきれいに掃除しているうちに客層が上がってきて、有名人の姿も多く見られるようになり、店の評判が高くなったのでした。



 鍵山さんは「足元のゴミひとつ拾えない人間に、何ができるでしょうか」と言っておられます。また「私は才能がないから誰にでもできることを、誰にでもできないくらいやってきた」と言い「凡事徹底」と表現しておいでです。掃除を通して、周りがきれいになるだけでなく、謙虚さや感謝、感動の心が育つと掃除の効用も述べておられます。



 私の知人にも、自分たちの町は自分たちの手でと、地域の清掃を長年続けている人がいます。また、彼は仲間と「七福神めぐり」の道筋のゴミを定期的に収集もしているのです。こうした清掃活動の行われている中で、秦野市の職員がゴールデンウィークを前に、震生湖周辺の大掃除をしました。私の知人も仲間と参加。ボートを出して湖面のゴミまで集めたそうです。



 これらは、秦野を訪れる人を迎えるおもてなしの心でもあり、私たちの心も洗ってくれます。それは、自分の利益にもならないことを人のためにする行為が感動を呼ぶのです。「尽す」ことの美しさを感じます。

 

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