はだのっ子 いま・みらい 教育寄稿第48回 言葉の乱れは心の乱れ 内藤 美彦
「中学生の孫娘が『ヤバイ』と言っていたのを聞いてびっくりしてしまった」と知人が心配げに話しました。確かに私たちの認識では「ヤバイ」は「あぶない、まずい」といった意味の隠語で、一般家庭の子女が使わないと思っていました。ところが、現在はごく一般的に使われ、前記の意味以外に「すごい、魅力的」という肯定的にも使用されているようです、
先だって、文化庁が発表した「国語世論調査」でも、本来の意味と違った誤用が多い実態を報告しています。言葉は時代によって変わっていくものです。といって誤用した場合、相手に真の意図は伝わりません。当然逆の場合もあるわけで、相手に正しく伝わる言葉遣いをしなければなりません。
秦野で生育した私は、秦野弁をおかしいとは思っていませんでした。大学も県内なので、秦野弁で話していました。地方から来た人たちは、方言は使わず共通語でした。ある時、君の言葉で意味の分からないのがあるのだが」と言われました。それは「けえんべー」(帰ろう)、「ひゃっけえ」(冷たい)、「うんめえ」(おいしい)などでした。さらに「君の言葉は荒っぽくて叱られているようだ」とも指摘され、衝撃を受けました。
言葉は相手に通じなければいけないし、相手に快く響かねばならないと肝に銘じたのでした。しかし、身に染み付いたものは、なかなか直りません。言葉によって、その人の品性を感じますし、人間関係にも影響を与えます。
そういう意味で、敬語は人間関係を大事にする人間尊重の精神の表れです。でも、テレビでタレントが自分の親を「お父さん、お母さん」と言っていたのを先輩が嘆いていました。小学校でも低学年から敬語の指導をしています。家庭でも敬語の正しい使い方に慣れさせることが必要です。
また、外国語の乱用が気になります。明治の人は、外国語を分かり易く造語しました。「自由・社会・理想…」があります。外国語を使うのも悪くはないですが、相手が分からない言葉は避けたいです。
言葉の乱れは、心の荒廃を意味します。いじめも言葉から始まるのです。正しくて、相手に快く伝わる言葉遣いに心掛けましょう。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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