秦野版 掲載号:2012年12月15日号
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はだのっ子 いま・みらい 教育寄稿第50回(最終回) 「いじめ」を通して考える 内藤 美彦

 文科省が「いじめの緊急調査」の結果を公表しました。それによると、今年の4月から9月までの全国の小中高校が把握したいじめの件数は14万件を超えているとのことでした。大津市で中学2年生の自殺がいじめと関係があるということで、全国の教育委員会に調査報告を求めた結果です。

 「いじめにより死にいたった」という事件は、20年以上も前に東京都の中学2年の男子が「葬式ごっこ」などのいじめでの自殺がありました。その後も山形県で中学1年の男子が「マットに押し込められた窒息死」があり、平成18年には5件、昨年も3件、自殺者が出ているのです。それに対していろいろな対策がとられているのですが、いじめ自殺を防げず、いじめも減らず、増加する傾向にあります。

 いじめはなくならないのでしょうか。5歳くらいの子を2人でひとつの部屋で遊ばせます。初めは部屋にある遊び道具を使っておとなしく遊んでいますが、時間が経つと道具の取り合いを始め、争っている中で、悪口を言い出します。その悪口の内容は、自分と違う点の指摘なのだそうです。太っていれば「デブ」、背が高ければ「ノッポ」というように言い合います。

 悲しいことに、人間はこうした我儘や差別感が本性にあるのです。これは円滑な社会生活を妨げる悪しき業であります。教育はこれらを正すことでもあるのです。教育基本法は「教育の目的は人格の完成を目指し…」と謳っています。ところが、人格とは何か、抽象的でわかりにくいです。そこで悪しき業を正し、善行を実践している人を人格者と考えたいと思います。

 会津藩の藩校日新館では「什の掟」7項目があり、その最後に「ならぬことはならぬのです」と、きっぱり言い切っているのです。その「ならぬこと」が悪しき業ではないでしょうか。

 つまり、社会生活を乱すようなこと、他人の気持ちを考えないこと、自分勝手な我儘といったことが「ならぬこと」であり、悪しき業だと思います。それにつながる行為は「してはならぬ」のです。いじめは、まさにその類であります。家庭や学校それに地域は「ならぬこと」を共通理解し、いつでも、どこでも、誰もがそれを言い続けていかねばならないと思うのです。
 

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