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公開日:2013.05.18

秦野市
縦割り見直し情報共有へ
女児遺棄事件受け

 秦野市に住民票があった女児の遺体が横浜市磯子区で発見された事件を受け秦野市では、再発防止に向けた検証会を開催。転入段階での見落としがないよう確認強化を図るとともに、庁内の情報共有体制強化を進めることなどを確認した。



学校教育課では不就学の実態把握に遅れ



 まず課題となったのは、昨年4月12日に容疑者となった母親らの転入届を受理してから、学校教育課が子どもが実際に学校に通っていないことを把握するまで約3カ月かかった点だ。



 これまで秦野市では、転入者の中に就学年齢者がいた場合、窓口である戸籍住民課が転校の手続きに必要な前学校の在学証明書の有無を確認していた。在学証明書が無い場合、戸籍住民課では、就学データ管理を担当する教育委員会の窓口へ行くよう転入者に口頭で案内するに留まっていた。今回の事件で母親らは転入届提出後に学校教育課を訪れていなかった。



 秦野市は、これを受け役所内の連携を強化。在学証明書を持たない転入者がいた場合、戸籍住民課がその場で学校教育課に連絡し、保護者と担当者が直接やりとりを行う態勢に変更した。また、対面でのやりとりを重視。加えて年3回だった在学確認調査を5月から毎月末実施し、転入段階での見落としがないように確認していくという。



健康子育て課の接触は携帯電話が中心



 一方当時妊娠していた母親に対してアプローチしていたのが健康子育て課だ。



 同課はやりとりで事件性を感じ、2月28日に秦野警察署に行方不明の届けを提出。この届けが今回事件表面化のきっかけとなった。



 母親は昨年12月7日に第3子の妊娠届を住民票のある秦野市に提出。同課は、届けが妊娠10カ月目と遅すぎることや受診病院欄が未記入だった点などを不審に感じ、接触を試みた。



 携帯電話でのやりとりで直接会う約束を取りつけたものの、実際の対面は今年1月21日の出生届提出の際の1度に留まった。住所を聞き出せなかったことなどから同課は2月1日同署へ相談。その後母親は10回のキャンセルを繰り返し、3月11日の連絡を最後に携帯も繋がらなくなった。



 同課では「住所不明者とのやりとりには限界を感じた」と話す。



検証会を設け再発を防止



 市では今回の事件を受け「横浜市児童虐待に関わる秦野市対応検証会」を3回にわたり実施した。



 今回の事件では、母親が今年1月9日に国保年金課を訪れていた事を健康子育て課が事件発覚後に知った点など、いわゆる「行政の縦割り」による対応の遅れが指摘された。健康子育て課では「特に児童虐待が想定される場合の関連課との情報共有を強化していく」と話す。



 また、転居を繰り返すケースで他自治体とのやりとりに関する「自治体間の縦割り」による情報共有の薄さも指摘。今後予定されている県の内部検証会で訴えていくとしている。

 

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