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公開日:2013.08.29

秦野でロケ続々
ドラマ、CMなど撮影支援

  • ロケ地探しの必需品カメラを持つ米山さん

  • 8月に放送されたドラマの撮影現場(水無川上流)

 秦野市観光協会が運営する事業「秦野フィルムコミッション」が活況だ。シティーセールスの一環として2006年に設立以降、年々撮影数は増加。今年度も有名ドラマやCMなど連日ロケーション撮影が行われている。 



 フィルムコミッションとは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーション撮影を誘致・協力し、作品を通じて地域の経済や観光振興を図る取り組み。



 フィルムコミッションを運営するほとんどの自治体・団体が無償で撮影協力するなか、秦野フィルムコミッションは2009年から有料化を実施している。金額は、当日撮影立会い1時間2000円、準備手配1件3000円など。



 それでも多くの依頼がある理由のひとつが、都心から東名高速道路で約1時間というアクセスで山間部や地方都市、田園風景など多様なシーンが撮影できる点だ。市民の関心も高く、市民エキストラには520人が登録している。



 ドラマや映画では、架空の都市や実在する他の場所に見立てた撮影も多く、作品内で「秦野」の地名が出ることは少ない。それでも同協会では「知っている場所が画面に映れば、秦野の人たちに喜んでもらえるのでは」と話す。



 さらに、撮影は出演者やスタッフなど50人以上で行われることも多く、弁当や移動のタクシー代、現地調達する備品など、一定の経済効果もあるという。



「スタッフのお母さんみたい」



 同事業を2007年から担当する米山久美子さん(48・曽屋)は、撮影スタッフから頼られる存在だ。



 携帯電話に、直接ロケーションの要望が飛び込んでくる。同時に他地域に依頼している場合が多く、「スピードが肝心なんです」と、1千枚以上はあるかという市内の写真から要望に近いものを素早く選び、メールで返信する。



 ロケ地に決定してからも、駐車場や控え室、食事の手配、現場の立会いなど仕事は多岐にわたる。撮影現場の立会いは、早朝や夜中になることもしばしば。



 以前、自宅を撮影場所に提供した際、2階の一室で仮眠をとるつもりがそのまま熟睡。目が覚めると、テーブルに「次の撮影現場に行きます」とスタッフの書置きが残されていたというエピソードも。



 撮影現場のスタッフは若者が多く、電話口で仕事の愚痴をきいたり、恋愛に関する相談などを受けたりすることも多い。「この仕事で大切なのは信頼関係。(スタッフの)お母さんみたいなものです」とニコリ。



 いまでは外出先でも、つい良いロケ地にならないかという目で見てしまうという。「事前に送られてきた脚本を読みイメージをつかんで提案したロケ場所が、巨匠と呼ばれる監督に認められたときは嬉しかった」と笑みを見せた。  

 

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