秦野市 放課後学習をサポート 生活保護世帯の中学生に
秦野市は今年度から、主に生活保護受給者を対象とした支援策として「社会的居場所づくり支援事業」を始めた。今年度はその一環として子供の高校進学のための学習支援に取り組んでいる。
貧困が親の世代から子供の世代へと引き継がれてしまうという、いわゆる「負の連鎖」が全国的に社会問題化していることから、その対策の一環として秦野市が乗り出したのが、この事業。
手始めとして今年度から始まったのが子供の高校進学等学習支援だ。これは生活保護受給世帯の中学生に対して、放課後に学習をサポートするもの。現在市内の公共施設1カ所で、毎週1回午後6時から8時まで開催されている。その都度参加人数は変わるものの、毎回10人前後の中学生が出席しているという。一斉に行う講義のようなスタイルではなく、子供たちがそれぞれ教科書などを持参して、自習スタイルで勉強を行っている。その中でわからないところや教えてほしいところがあれば、会場のボランティアスタッフがマンツーマンで対応する。ボランティアスタッフとしてとして指導に参加しているのは学生や元教師など現在7人。
担当する市生活福祉課では「子供にもっと勉強がしたい、進学したいという意志や希望があるならその助けとなる機会にしたいと始めた。長い時間を要する取り組みかもしれないが、結果的に負の連鎖を断ち切ることにつながるのでは」となどと話した。この事業は来年度以降も継続して実施していく計画で、今後は参加人数などの推移をみながら、必要に応じて会場を増やすなどの対策を講じていくことも検討するとしている。
一方で生活保護受給者へのサポートも今後展開していく計画だ。就労可能な生活保護受給者などに対してボランティア活動を始めとした様々な社会経験の場を提供、積極的に参加を促す。「労働などの現場を体験することで社会へのつながりを感じてもらい、就労意欲の喚起につなげたい。その他にも時代に即した様々な取り組みを進めていきたい」などと、同課では話す。
秦野市では、昨年度末現在、1266世帯が生活保護を受給している。そのうち中学生がいる世帯は36世帯。
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