台風18号被害 床上浸水4、道路冠水10 人的被害はゼロ
強い雨風を伴い10月6日に上陸した台風18号により、秦野市内では床上浸水4棟、道路冠水10カ所の被害が発生した。人的被害は報告されていないが、通勤時間を直撃し、公共交通にも遅延などの影響が出た。
秦野市では5日の夕方から台風接近に伴う警戒情報を市緊急情報メールで発信。同日午後6時27分、横浜地方気象台から市内に大雨洪水警報が発表され、さらに午後9時33分には暴風警報も追加された。
6日、午前6時20分ごろ、市は全公民館を自主避難のための避難所として開設するというメールを配信。公民館などに避難した人は全市でのべ57人。鶴巻公民館には20人、本町公民館には13人が避難した。
台風18号が静岡県に上陸した午前8時前後から雨風は勢いを増し、午前9時5分、県と同気象台が土砂災害警戒情報を発表。市ではその10分後に避難勧告や指示の前段階に当たる避難準備情報を市内全域に発令した。
その後、午前9時45分には金目川水系の河川水位が避難判断水位を超過。午前10時15分には鶴巻地区の善波川、矢茂井橋の水位が氾濫危険水位に達し、鶴巻舞台地区に避難勧告が発令された。避難勧告の発令は1991年9月の台風18号以来23年ぶりだ。
降り始めからの総雨量は353・5ミリで1時間に最大68・5ミリの雨が降った(いずれも気象庁の平塚観測地点)。市内では東海大学前駅周辺で床上浸水、南矢名、鶴巻などの道路も冠水し、自動車が立ち往生する場面も見られた。
市内の全ての幼稚園、小学校、中学校は休校。広畑小を除く全小学校と上幼稚園は土曜日に行われた運動会の振替休日のため、もともと休校予定だった。
小田急電鉄では午前8時40分ごろから伊勢原―鶴巻間の風速計が規定値を超えたため、午後1時まで運行を休止。ロマンスカーは始発から運休となっていた。
また、神奈川中央交通バスは市内全域で遅延が発生し、秦野駅―平塚駅、東海大前駅―鶴巻温泉駅間の運行を一時見合わせた。
市防災課は「広島の土砂災害を受け9月に定めた避難基準に乗っ取り、河川水位や雨量を観測する人員を配置した。浸水被害はあったが、風の影響が少なかったため、被害は最小限にとどまったのでは」と話した。
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