菩提生産森林組合(高梨照雄組合長)と菩提滝の沢保存会(古谷勝二会長)が8月、葛葉の泉(菩提2317の15)の駐車場を増設した。市民の手による手作りの駐車場だ。
葛葉の泉は、1985年に秦野盆地湧水群が全国名水百選に選ばれたことをきっかけに地元住民が整備した。週末には市内外から多くの人が訪れ、持参したボトルなどに水を汲んでいる。
菩提生産森林組合と菩提滝の沢保存会は「泉を訪れる人に気持ち良く過ごしてもらおう」と、日頃から協力して泉や葛葉の泉広場の管理等を行っている。泉周辺の清掃・整備のほか、定期的に草刈りや樹木の手入れ、山ビル対策用の塩の設置・管理なども行っている。
夏季になると、泉の周辺は水浴びや川遊びをする家族連れが増え、丹沢に上がる沢登りのスタート地点としても多くの人が訪れる。同会の古谷信行さんは「顔見知りの沢登りのインストラクターから、ひと夏に200人を案内すると聞いた。ほかにも全国から多くのインストラクターが観光客を連れて訪れている」と話す。
葛葉の泉にはもともと普通車約15台を停められる駐車場があったが、夏季は土日になると車が溢れ、路上駐車が増えていた。両団体は「道も広くないので危ない」と駐車場の増設を計画したという。
作業が始まったのは7月下旬。「地元の地権者に事情を話し、駐車場の隣の土地を無償で借りることができた」と高梨組合長。市森林づくり課から資材の提供を受け、草刈り機などの機材はメンバーらが持参して、草木を除去した。地面をならし、線引きをして、15台分の駐車スペースを増設。既設の駐車場にも砂利を敷き、整備を行った。同組合と同会のメンバー10人がボランティアで作業を続け、3週間ほどで完成した。
泉の近くには市観光課が新しい簡易トイレを設置予定で、同会では水洗トイレの設置も要望している。「みんなが安心して遊べるよう、今後も環境整備を行っていきたい」と古谷会長は話す。
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