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秦野 コラム鵜の目鷹の目

公開日:2015.12.24

vol.40
鵜の目鷹の目
秦野市元教育長東海大学講師 金子信夫

下町ロケット〈最終回〉



 何故、○○県(市)の教員採用試験を受験するのかとの質問に、研修制度が整っているからと答える大学生が多いことに驚かされます。各自治体の教員採用説明会で担当者が研修制度の充実をアピールしたことに応えているようですが、私には自分の成長を最初から制度に委ねようとする他力本願な考え方や姿勢にしか思えません。



 確かに、教員には研修が法律で義務付けられており、各教育委員会が研修制度を整備し、内容の充実を図ることは理解できます。しかし、学校現場で真に指導力や感化力を発揮し、子どもや保護者の信頼を得ることができる教員は、教育実践を通して育ち、先輩から学び、自分自身の力で自らを磨いています。子どもと毎日共に汗をかき、顔を突き合わせて対峙することからしか学ぶことができないプロ教員としての使命感や指導技術があることを忘れてはなりません。下町ロケットではありませんが、地域の学校現場にこそ教育理論や答申、大量の通達では埋めることができないプロ教員としての意地と職人技が育つのです。



 これからの教育のキーワードの一つにアクティブラーニングがあります。主体的、能動的に学ぶことで、急速に進化し多様化する知識基盤社会や高度情報通信社会に対応できる大学生や児童・生徒を育てるための学習方法ですが、教員にこそ求められている研修姿勢そのものということができます。



 日本の未来を創造する人材育成は、教員の誇りであり責任でもあります。今後とも、真に自立した使命感あふれる教員の卵たちを支援していきたいと思います。

 長い間、拙文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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