「みどりのおかに げんきがいっぱい おひさまにこにこわらってる」。
秦野市出身で世界的に活躍する指揮者・山田和樹さん(38)が1月28日、秦野市立しぶさわこども園(府川宏子園長)を訪れ、子どもたちと共に園歌を披露した。この歌は昨年開園を記念して作られたもので、山田さんが作曲した。
同園は昨年4月、渋沢保育園としぶさわ幼稚園が合併して開園。その記念として、市民から公募した作詞に山田さんが作曲した。65作の中から、「親しみやすく園の特色が表現されている」と選ばれた歌詞の作者は、同園職員の村上理恵子さん。「子どもたちに園や地域を好きになってもらいたい」という思いが込められている。
園歌は昨年10月に行われた運動会で初めて披露され、今後は卒業式や終業式など大きなイベントで歌われる。1月27日には、昨年40周年を迎えたしぶさわ幼稚園の記念の集いが行われ、式典内でも披露された。
山田さんと子どもたちは、今回が初共演。当日、会場には4、5歳児約90人が集まった。
最初に職員が指揮をとり披露すると、そばで聴いていた山田さんは「みんなで手をつないで、ルンルンふりながら歌いましょう」とアドバイス。子どもたちは山田さんと楽しそうに合唱し、場内に元気な歌声が響き渡った。
子どもたちは歌い終わるとワッと歓声をあげ、「ドキドキしたけど楽しかった」「歌を聞いてくれてありがとうございます」と笑顔を見せた。最後にはお礼の気持ちを込めて、山田さんに歌のプレゼントと絵やメッセージが書かれた色紙を手渡した。
府川園長は「素敵な曲を作って頂き、子どもたちには今以上に歌うことを楽しんでもらえるのでは。長く大切に引き継いでいきたい」と感謝した。保護者からも「明るく楽しいイメージにぴったり。運動会で初めて聞いた時、楽しそうに歌う子どもたちを見て嬉しかった」と喜ぶ声が聞かれた。
山田さんは子どもたちへ、「苦手なことや嫌いなことがあると思うけれど、頑張って。ずっと元気でいてください」と、メッセージを送った。
山田さん園児の歌に「感激」
今回が初めての作曲だったという山田さん。制作期間は2、3カ月で、「作曲のプロではないので簡単ではなかった」と振り返る。明るく元気よくを意識し、子どもにも親しみやすいハ長調の曲に仕上げた。
歌詞の印象は、「『さくらのさと』など秦野らしいフレーズが取り入れられている」と話した。
子どもたちとの合唱を終え、「感激」と、感想を述べた山田さん。渋沢小、中学校の卒業生で、生まれ育った土地への特別な思いが形になり喜んだ。「子どもが歌うのがまたいい。美しく無垢な心を大人がどう守るかは難しいことだが、彼らの歌声には希望が溢れていた」と微笑んだ。
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