7月の「ヌルスルタン世界選手権大会」パラパワーリフティングに出場する 市川 満典さん 南矢名在住 45歳
どん底から切り開く未来
○…胸板の厚さ、鍛え上げられた両腕の筋肉に目がいく。腕周りは38cm。日本パラ・パワーリフティング連盟の強化指定選手Aランクに指定されている。4月末、ハンガリーで開催された「エゲル2019ワールドパラパワーリフティングワールドカップ」男子54kg級で126kgを成功し銀メダルを獲得した。7月12日からカザフスタンで開催される「ヌルスルタン世界選手権大会」にも出場する。目標は「2020年の東京パラ五輪出場」。「記録を伸ばさなくてはいけない」と前を向く。
○…パラパワーリフティングは、下肢障害者が対象のベンチプレス競技。寝そべった状態でバーベルを上げる。チャレンジは3回。上げ下げ時にはバーベルが傾いたりしてはいけないなどフォームも問われる。「私が良い成績をとることで、競技を広く知ってもらえたら」と意気込む。
○…9年前、製造業に勤めているとき、作業中の事故で下半身に重症を負った。以降、車椅子生活に。「最初は目の前が真っ暗になった」とショックは計り知れないものだった。しかし、「なってしまったものは仕方ない、現実を受け入れよう」と気持ちを切り替えた。退院後、リハビリの病院に転院。そこでは同じような境遇の人たちに出会い「自分だけではない」と勇気付けられた。
○…パラパワーリフティングは約2年前の9月、スポーツイベントで挑戦したのが最初。初めての大会では98kgを成功させたが、フォームが崩れ失格となった。「数秒で結果が出る競技は私にあっていた」と話す。日ごろから食には気を使う。1日2200キロカロリーを上限に設定。検量があるため体重には最大限気を配る。それでも試合後だけは少し緩むことも。「ハンバーガーは旨かった」と笑う。
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