11月8日は「いい歯の日」。この日は、1993年に日本歯科医師会が歯・口の健康の維持・増進を図るため、「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせで設定したもの。超高齢社会を迎え、毎日の食事を美味しく食べ、健康寿命を延ばすために「歯と口の健康」は欠かせない。そこで30代以上の3人に2人が罹っていて”世界でもっとも多い感染症”ともいわれる歯周病をはじめ、歯科検診について取材した。
まず、歯周病とはどのような病気なのか。歯周病は歯を支える歯ぐき(歯肉)と歯との境目に細菌が入って歯を支える骨(歯槽骨)が壊れて、ひどくなると歯が抜けていく病気。30代後半から歯周病に罹っている人が多くなる。特に歯周病は自覚症状を伴わずに進行している場合も多く、定期的な検診が必要だとされている。
そこで歯周病の原因や最近よく話題になる「歯周病と認知症との関係」について歯科医師の井上泰先生(一般社団法人 秦野伊勢原歯科医師会副会長)に話を聞いた。
歯周病を引き起こす原因は「口の中の清掃不良や食生活はもとよりストレスや歯ぎしり、歯列の不正、口呼吸の習慣など」「また喫煙が多い人にも注意が必要だ」という。
また歯周病がアルツハイマー型認知症に関係しているという話題では「お口の清掃状態が悪いと、口の中の菌が歯ぐきから血管内に侵入し脳まで流れ着いて炎症を起こすことによって異常なたんぱく質(アミロイドベータ)が脳内に蓄積し認知症の発症や進行につながるとされる。また、マウスの体内に歯周病菌を投与すると記憶力が低下するということがわかってきた」とのことだ。認知症の発症予防や症状悪化を防ぐためには、歯周病を予防し原因菌を減らすこと、また歯を多く残すことによってよく噛んで脳への刺激を与えることが必要だ。また妊婦の方が歯周病になっていると『早産、低体重児のリスクが7倍にものぼる』といわれ、「市の妊婦歯科健康診査などを活用し歯医者に受診して欲しい」とのことだ。
今、一番話題になっているのがオーラルフレイル(お口の衰え)。食べ物をよくこぼす、むせる、発音がはっきりしない、噛めない物が増えた、などのお口の衰えを放置すると全身の筋肉や心身の活力の衰えが進み要介護状態となるリスクが高まることもある。予防のためには「お口の健康体操」を続けることや歯科医による検診を定期的に受けることが大切で、「市の歯周病検診などをきっかけに歯医者に通う習慣をつけることで口と歯のトラブルはもとより、全身の機能低下の予防にもつなげ、健康寿命を延して欲しい」と井上先生は話す。
秦野市の歯周病検診
秦野市では歯周病の早期発見と口腔保健意識の向上を図るため、歯周病検診を実施しており、秦野伊勢原歯科医師会所属の歯科医院で受けられる。日曜・祝日は、秦野市歯科休日急患診療所(予約制 【電話】0463・83・3120)でも受診可能。対象となるのは、40歳・50歳・60歳・70歳の人。受診対象者には市から受診券はがきが送られる(今年度の対象者には発送済み)。今年度対象者の検診実施期間は2021年3月31日まで。費用は700円。
歯周病検診についての問い合わせは、市健康づくり課【電話】0463・82・9603へ。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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