鶴巻温泉病院(秦野市鶴巻北1の16の1)の正面玄関受付で、疫病退散祈願の妖怪「アマビエ」と同院公認のゆるキャラ「鶴のまきちゃん」の木彫り人形が来院客をお出迎えしている。一見、木彫りには見えないカラフルな着色とユーモラスで可愛らしい表情。作者は左(ひだり)龍太郎氏。何を隠そう医療法人社団三喜会理事長、日本介護医療院協会会長など様々な肩書を持つ同院院長・鈴木龍太先生(68)の作品なのだ。
鈴木院長が木彫り人形を始めたのは2019年の冬頃。横浜市で教室を開くわきたけいこさんの作風や教室の雰囲気に惹かれて始めた。
折しも新型コロナウイルス感染症の影響が出始めたころ。教室でアマビエの木彫り人形を作ったことをきっかけに、一緒に作った同院の「鶴のまきちゃん」をあわせて受付に置き始めたという。
「驚く顔が見たい」
作家名の「左龍太郎」は江戸時代に活躍したという名工・左甚五郎(ひだりじんごろう)の名前と、自身が左利きであることをもじってつけたもの。作る物のテーマを決めた後は、彫刻刀で半日ほどかけて大体の形を整えていく。「大きいものを一つ作る間に小さいものも一緒にいくつか作るのが僕のペース。色付けで全然違うものになるよ」と話す。その言葉通り、一番時間をかけるのは彩色だ。教室でアドバイスをもらいながら、自分の感性で色を付けていく。「作品を見せた時に皆がびっくりしたり、面白がる顔が楽しい」と朗らかな笑みだ。
最新作はアマビエを従えた桃太郎の人形。初めは孫のために作っていたそうだが、お供にアマビエを従えることを思いつき「コロナ禍も力合わせてワンチーム」というメッセージと共に、写真を病院のメルマガ登録用カードとして配布している。「新しい人形を見て、患者さんに『先生、上手になりましたね』と言われてね。前も『上手だ』って褒めてくれたんだけど…」
手彫りの人形で明るい気持ちに
実は着々と腕を上げており、今年2月に行われたスモールワールズTOKYOのミニチュア・コンテストで入賞も果たしている。
これまでに作成したのは『不思議の国のアリス』のウサギや干支の動物、パンダ、不苦労として縁起のいいフクロウなど40〜50個。昨年は、患者さんが作成したものを紹介する院内の展示会で最優秀賞作品に「鶴のまきちゃん」の木彫りミニストラップを賞品として進呈したそうだ。
「このコロナ禍で僕の作った人形が心をなぐさめ、面白いなと思ってもらったり、前向きに明るくなってもらえたら嬉しい」と話した。
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