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秦野 経済

公開日:2023.06.30

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『貯信』を重ねて未来につなげる
(株)ココハダLAB代表取締役 椎野祐介氏

 秦野市で活躍する若手実業家--その一人がローカルエージェントカンパニー(株)ココハダLAB代表取締役であり、今年4月から(株)金井酒造店代表取締役にも就任した椎野祐介氏だ。ローカルキャラクター「ジェントルゆうすけ」としての顔も持つ椎野氏。新しいアイデアと独自の経営感覚で事業を広げている椎野氏に話を聞いた。

 小学4年生の時に秦野市に転入し、南が丘小・中を卒業した椎野氏。青年海外協力隊だった叔母の影響で、20歳でアフリカへ行き、現地で体感した「自分らしく楽しく生きる」という姿勢に感銘を受け、それが今につながる指針となった。

 中央大学中退後に都内でバンドマンとして自分の思いを表現する日々を送っていたが、2006年に帰郷し、両親と共に「しいの木薬局((有)グット・クルー)」を設立。専務として調剤事務や受付、営業、経理やデザインなどあらゆる業務に携わり、経営感覚を身につけていった。

新たな事業を展開人脈の幅広げる

 転機は2011年。東日本大震災が発生し、ボランティア活動をするなかで、まちづくりについて学ぶこととなり、人脈も広がっていった。そんな時に改めて自分を見つめ直し「育ってきた南が丘とのつながりがあまりない」ということに気づいたという。

 そこで、バンドマン時代に飲食店で働いていた際、取得していた調理師免許を生かし、地域の人々の溜まり場として飲食店「アルセントロ」をオープン(現在は他社へ事業継承)。16年には「人々が交流しやすいパーティーができる店」として本町に「コントレイルマーケット」を構えている。

 その後、エンタメ型地域活性化コミュニティココハダLABに関わり、活動の中で資金が必要なものについて業務委託を自社で受けるように。20年に法人化し、(株)ココハダLABとして本格的に活動に関わり、デザインやWEB制作などに幅を広げていった。

 そんな中でコロナ禍に突入し、飲食店は開店休業状態。「だったらこの機会に面白いことをやろう」と自身をローカルキャラクター化し”ジェントルゆうすけ”として活動をスタート。ユーチューブ配信などでまちおこしを行い、人脈を広げる中で「金井酒造店」の経営権をくじらキャピタルより取得し、23年4月から代表取締役に就任した。

「若手経営者の武器は時間」

 変化の激しい時代だからこそ、椎野氏は常に多くのチャンネルを持ち、様々な変化に対応できるようにしている。「いつの時代も経営者は未来に希望と期待を持って、投資し続けることが必要。お金は社会に流れる血液のようなもの。その流れの巡らせ方を考え、取り扱う量が徐々に増えていくことで社会に変化を生む。それこそが若手経営者にとって何より重要だと思います」と語る。

 「若手の持つ最大の武器は『時間』」と椎野氏。「社会的に価値や意味のあるものに投資し、信用を積み上げる『貯信』に変えることができれば、任せてもらえることが増えていく。それが将来の機会創出につながる」という。それには常に話題を生み出し、経済を動かすことが重要となる。

 「新たな経済を動かせる若手経営者が増えれば、まちも変わる」。人脈を糧に、信用を得られる仕事をし、地域の活性から日本、海外へつなげる--それが椎野氏の描くビジョンだ。

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