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秦野 人物風土記

公開日:2023.07.21

NPO法人自然塾丹沢ドン会の理事長に就任した
可児(かに) 康一郎さん
小田原市在住 54歳

自然を再生し継承する

 ○…開発が進む丹沢の自然を守るため、1992年に設立されたドン会。秦野市名古木(ながぬき)をフィールドに、「丹沢自然塾」を開講して米や野菜作りを行い、丹沢の「さとやま」を再生・保存し、そこに生息する生き物の多様性を高めるために活動している。さらに、「丹沢こども自然塾」を通じて、「日本の伝統的な農村風景を次世代へつなげるように努めています」と語る。

 ○…入会したきっかけは、新聞に掲載されていた自然塾の塾生募集の記事。元々米作りに興味があり、2017年に塾生、翌年にはドン会の会員になった。「自然の景色が気に入りました。皆で作った野菜の美味しさにも胃袋をつかまれてしまいましたしね」と笑顔。活動を通じて実感したのは、成長した作物を収穫することは当たり前ではないこと。動物や天候で左右されるため、常に油断できないという。「米や野菜が無事収穫できるのは、秦野の水や太陽、皆の工夫や努力があってこそ」と話す。

 ○…現在は母と妻、大学3年の娘と暮らしている。ドン会で作った野菜は家族にも好評で、「おいしいと喜んでもらえます」とほほ笑む。趣味は46歳のころから始めたランニング。今年はドン会で同じ趣味を持つ仲間と一緒に大山登山マラソン大会に参加した。

 ○…新しい試みとして今年は、稲の多年草化栽培に挑戦する。これは稲刈り後の切り株から出る新芽を、そのまま稲に成長させる栽培方法。冬に枯れないよう、寒さに強い品種の「ひとめぼれ」と「伊勢ヒカリ」を植えた。同時に、集めた落ち葉を肥料にしたり、刈った竹を炭にして土壌改良を行うなど、自然循環活動にも力を入れている。「この活動がこれからも続いていくよう、次の世代につなげていきたい」

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