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秦野 コラム

公開日:2025.02.28

地元クリニックの院長が解説
医学の迷信「常識と非常識」

◆「ステロイド軟膏をつけて日にあたると黒くなる」って、本当ですか?

 これは迷信です。ステロイド入りの軟膏をつけて太陽に当たると黒くなる、いわゆる「ステロイド焼け」などというものはありません。日本のごく一部の薬剤師の間だけで信じられている迷信です。欧米の薬剤師は、そんなことを一切、口にしません。日本人のような黄色人種は、炎症が治ると「炎症後色素沈着」という症状を起こすことがあります。黄色人種の特徴で一過性のものであり100%消失します。

 例えば家が火事になったとします。水をかけて火を消し止めたとしても真っ黒になった焼け跡が残ります。それは水で黒くなったのではなく、消火により黒くなったのです。火事を「湿疹」、水を「ステロイド」と考えれば「ステロイド焼け」は「炎症後色素沈着」が誤解の原因になったのでは、と推測されます。

 今回紹介の迷信については日本皮膚科学会でも問題にもなっていることから、薬剤師の方々に於かれましては正しい情報の発信をお願いします。

 秦野市大秦町にある「栄枝皮膚科」の院長・栄枝 重典氏(日本専門医機構認定/皮膚科専門医)が、自身の見識を基に健康に関する様々な情報を本紙読者に分かりやすく教えてくれるコーナーです(不定期転載)

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