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青葉区 人物風土記

公開日:2013.03.07

3月10日に実施する東日本大震災復興支援企画『チャリティーフラワーアート2013』の実行委員長
吉田 誠司さん
みたけ台在住 46歳

人を想う気持ちが原動力

 ○…整骨院の院長を務める傍ら、企画に使う鉢植えやコーラス団体の手配、宣伝など準備に駆け回る。会議は時に深夜に及ぶことも。「震災時に感じた、人とのつながりや思いやりを忘れたくない」。この思いが原動力となる。日常の会話の中で、震災が過去として捉えられていると感じる。「それは悪いことではない」とした上で、「でも、まだ助けを必要としている人がいるのも事実。この企画が考えるきっかけになればいい」

 ○…震災時、テレビで被害の甚大さを知り、すぐ医療ボランティアに参加した。向かった先は、津波の被害を受けた宮城県亘理(わたり)町。360度、何もなくなった街を目の当たりにし、「圧倒され声が出なかった」と言う。だが、被災地の人の前を向く姿にはもっと衝撃を受けた。家族を探しに行く人、他の避難所の手伝いに行く人。昼間の避難所はほとんど人がいなかった。「やれることは自分たちで何とかしようという前向きな力に、こっちが元気づけられた」

 ○…山口県出身。父親の仕事の関係で転校を繰り返す少年時代。「人を喜ばせることが大好き」という性格は、どの学校でも人気者だった。大学卒業後、大手ゼネコン会社に就職。帰宅できるのは月に2、3回、時には現場の職人とぶつかりあいながら、ものを造る仕事にやりがいを感じた。実は仲町台駅も手掛けたうちの一つ。「今でも、降り立つと嬉しい」と誇らしげだ。

 ○…人生の転機となったのは激務に体調を崩した35歳の時。「本当にやりたいことは何だろう」と、自問自答の末たどり着いたのは、ぎっくり腰で通った整骨院。「人に喜んでもらえる。なんてやりがいがある仕事なんだろうってね」。仕事を辞め、学校に通い資格を取得。他院での修行を経て、6年前、藤が丘に開院した。仕事は朝から夜0時を回ることも。そんな姿に「家族はあきれています」と苦笑い。「人のために役に立ちたい。後悔はしたくないから」。表情には充実感がにじむ。

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