鴨志田町を拠点に活動する女子サッカーのクラブチーム「日体大フィールズ横浜」。10月7日になでしこリーグ2部で初優勝を果たし、国内トップリーグの1部への昇格を決めた。
なでしこリーグ2部では10チームがホームとアウェーで総当たり戦を行い、全18節の勝ち点で年間順位を争う。同チームは開幕から3連勝を飾り、前半の10節まで負けなしで首位を快走。後半戦が始まってからは連敗もあったが、17節を終えた時点で12勝3分2敗で首位をキープ。3位以下を大きく引き離していたものの、2位のセレッソ大阪堺レディースとは勝ち点1の差となり、優勝の行方は最終節までもつれ込んだ。
最終節は10月7日、味の素スタジアム西競技場=東京都=でスフィーダ世田谷FCとの対戦。引き分けても負けても、自力での優勝はなくなるとあり「絶対に勝たなければならない一戦。選手の精神状態も普通ではなかった」と矢野晴之介監督は話す。プレッシャーのなか前半は0―0で終え、迎えた後半9分、相手コートで伊藤香菜子選手がボールを奪い、キーパーとの1対1で先制点を奪取。苦しい局面も粘りのプレーを見せ、この1点を守りきって試合は1―0で勝利。昨シーズンの6位から大きく前進し、初優勝と1部昇格をもぎ取った。キャプテンの嶋田千秋さんは「とにかく必死で簡単な試合は一つもなかったので、終わった瞬間に体が軽くなった。昇格を決められて嬉しい」と笑顔をみせる。矢野監督は「それぞれが勝者のメンタリティを持っているのでやってくれると信じていた。厳しい状況で失点を防ぎ、勝ちきることができたのは大きな成長」と選手を労った。
「まずは残留を」
インカレ最多優勝を誇り日本代表選手を多数輩出してきた、日体大女子サッカー部が母体の同チーム。2部リーグ参入に伴い、2015年度からクラブチームとして活動を開始。今年度は学生に加え8人の社会人選手が、当初から優勝を目標に戦ってきた。「スピーディーなサッカーが持ち味だが、守備的に守られると崩せないのが課題だった」と矢野監督。相手の守備を見ていかに攻め方を変えていくか、状況判断を含めた力の強化を目指し、1節ごとに着実に成長を積み重ねてきた。「ボール保持率や得失点数、試合の結果をみても、チームとしてレベルは上がってきていた」(嶋田さん)。リーグの合間、夏に行われたカップ戦ではPK戦の末セレッソ大阪に敗れ準優勝に終わったこともあり、雪辱を果たした形だ。矢野監督は「緩んだ時期もあったが勝ちきる力がついた。1部ではまず残留を目標に、攻めていきたい」と意気込みを語った。
伊藤選手は、今シーズンの最優秀選手賞に選出。「素晴らしい賞に選んで頂けて光栄。皆の存在があってのことで、自分が代表で頂いたようなもの」と喜びを話す。一方で「来季は厳しい1年になる」と分析。「1番下からのスタートという事実を受けとめ、チャレンジャーの精神で向かっていく強さを持ちたい。1つでも上に行けるよう心構えから意識したい」と話した。
|
<PR>
青葉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>