精神障害者の生活支援拠点として、2005年に開所した「ほっとぽっと」(運営・NPO法人共に歩む市民の会)。精神障害者について多くの人に理解してもらおうとさまざまな取り組みを行う同所では、7月16日に当事者の生活を記録し動画を制作する「動画一緒に作らない?」のボランティア説明会が開催された。
精神障害者は病気がある程度回復しても、退院してからの受け入れ先がないという理由から何年、何十年と入院する「社会的入院」と言われる状態の人が大勢いるという。この企画は、現在入院している精神病患者に制作した動画を見てもらうことで、退院後の生活を具体的にイメージしてもらおうというものだ。
当日は横浜市内から集まった7人のボランティアが参加。横浜市民放送局の木村静さんを講師に迎え、ポイントや編集の流れ、カメラを使った撮影練習が行われた。木村さんは「ありのままを伝えることが大切。その人が普段しないことは撮らず、あくまでも自然体を撮影してほしい」と話していた。
今後は参加者が「ほっとぽっと」の利用者と交流しながら理解を深め、8月から撮影や編集作業に取りかかり、動画を完成させる予定だ。
担当者は「福祉の専門家だけでなく市民参加で活動するのは、差別や偏見をなくすことにつながると思う」と期待を込める。
当事者への理解・サービスは不足
ほっとぽっとの担当者によると、精神障害に関する福祉サービスは身体障害、知的障害に比べると「まだ不足している」と指摘する。
外見では分かりにくいため、「理解してもらうのに難しい場合もある。偏見や差別も根強い」と話す。担当者は「退院を希望する人が安心して退院することができ、その後の生活を専門家だけでなく、地域全体で支えていくことが大切。当事者が自分らしい時間を過ごせる社会を一緒に作っていければ」としている。
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