旭区・瀬谷区 スポーツ
公開日:2026.01.01
プロ野球・松本裕樹投手 瀬谷区南台出身
日本一から世界を目指し
ソフトバンク 栄冠に導く
福岡ソフトバンクホークス所属で、瀬谷区南台出身の松本裕樹投手(29)。昨年、初の個人タイトルを獲得するなど大活躍し、チームのリーグ制覇、5年ぶりの日本一に貢献した。本紙では、昨シーズンの振り返りや今後の意気込みなどをインタビュー。家族や小・中学校時代に所属した地元チームでのエピソードなどから、「野球漬け」だったという少年時代にも迫る。
最優秀中継ぎ、胴上げ投手に
チームの日本一を、自らのピッチングで決めた――。
昨シーズンは、中継ぎ投手として51試合に登板。「勝ちパターン」の一角を担い、評価指標の一つであるホールドポイントはパ・リーグトップの44を記録し、同リーグの最優秀中継ぎ投手に輝いた。防御率はキャリアハイの1・07を記録するなど、安定感のある投球でチームを支えた。
松本投手の貢献もあり、チームは2年連続で同リーグ優勝を決めた。その後の日本シリーズ、制覇に王手のかかった10月30日の試合では、1点リードの延長11回に登板すると、無失点で締めくくり胴上げ投手となった。
プレッシャーのかかる場面だが、「緊張は無かった。今までの試合と変わらない心境だった」と松本投手。「絶対に自分で終わらせてやると意気込み、マウンドに上がった。日本一を決められて嬉しい」と話す。
家族ぐるみで鍛錬
「ほぼ野球しかしていなかった」と、少年時代を回顧する。
野球を始めたのは小学校入学前。2歳上の兄が南瀬谷ライオンズに入団し、ついていくようになったという。
その後は野球漬けの日々。「小学生の頃は、練習が休みの日も友達などと集まって遊びとして野球を楽しんでいた」という。プロになりたいという思いも、始めた頃から自然とあった。
家族も熱心で、父の浩さんも指導し、「登校前のランニングと夕方の素振り」が日課。キャッチボールのために近所の公園や和泉遊水地などへ足を運んでいた。兄とも切磋琢磨し、母の末江さんは「家の畳が擦り切れるほど、シャドーピッチングしていた。意識し合うような良きライバルだったのでは」と懐かしむ。
投打で活躍
南瀬谷ライオンズでは「二刀流」の活躍を見せた。当時の監督だった内藤三喜男さんによると「5年生の頃からはエースピッチャー。球の速さではなくコントロールの良さや打者との駆け引きの巧さが強みだった。打線の中心も担い、大人顔負けのホームランも打っていた」という。
6年時は年間の84試合で負けは1試合のみで、横浜市小学生野球連盟の大会などを”総なめ”。「監督を務めていた中で、最も強い時期だったんじゃないかな」と振り返る。
中学生時は横浜瀬谷ボーイズに入団した。現在も監督を務めている杉山千春さんによると、「バッティングも良かったが、投手がメインだった」という。「『点をやらない投手』。走者を出しても動揺せず、試合でのペース配分も上手くこなしていた。野球脳があり、キャッチャーをリードできる子だった」と語る。
性格は大人しかったというが、実力で仲間を引っ張り、関東のチームが参加する大会での優勝など、チームとしても好成績を残した。
その後は、岩手県の盛岡大学附属高校に進学。実家から離れた地だが、「寮に入り、野球に集中できる環境に身を置きたかった」と抵抗はなかった。末江さんは「『甲子園に一番近い学校』へ行きたいと言っていた。携帯を持っていくことができず、連絡もなかなか取れない環境で不安もあったが、良い同期に恵まれて過ごせたと思う」と頬を緩ませる。
同校での活躍がホークスの目に留まり、2014年にドラフト1位で入団した。
実家には年末年始に帰ることが多く、妻や子どもとともに過ごすほか、内藤さんや杉山さんにも会いに行くという。末江さん、内藤さん、杉山さんは「怪我に気を付けて、身体を大事に長く野球を続けてほしい」と口をそろえる。
日本代表に初選出
一昨シーズンは50試合に登板したものの、怪我もあり1年間投げ切ることはできなかった。「最後まで投げ切り、チームに貢献したい思いで臨んだ」という昨シーズンは、チームの主力として活躍し、「選ばれたい気持ちはあった」という日本代表「侍ジャパン」に初選出され、昨年11月には代表戦への出場も果たした。
「プロに入り11年間、最初はあまり活躍できずにチームに迷惑をかけるような状態だったが、ここ何年かは良い場面で投げさせてもらい、優勝にも貢献できるようになれて良かった」と松本投手。
侍ジャパンは3月にWBCを控える。「昨シーズンは少し出来すぎな部分もあったと思うが、今年もそれ以上の成績を残したい。代表に選ばれた際には、責任を全うし、チームに貢献したい」と新たな1年に向けて意気込む。
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